第三十二話
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そして、少し強めに放った雷は結界に当たり・・・
「あれ?あんまり手ごたえなかった・・・?」
「もう少してこずるかと思ったんだけどな〜」
「というか、トリシューラに吸い込まれてない?」
そう、雷は結界をいともたやすく貫き、トリシューラに吸い込まれていくのだ。
何で、雷がトリシューラに・・・シヴァって、雷関係あったかな・・・
「・・・ゼウスの天空神としての属性って、益をもたらすためだけじゃなくて、破壊するためにも使われてなかった?」
「「あ・・・」」
そうだ。ゼウスは自然の力をそうして使っていた。
だから、このゼウスの権能には、家身なりに鋼の属性が宿るだけではなく・・・破壊、という属性も宿ってるんだ。
確かに、ゼウスの権能を解放すると、破壊以外もたらさないし・・・
「あ・・・トリシューラの中の呪力が脈打ってる・・・」
「絶対、いい傾向じゃないよね」
「二人とも、俺の後ろに」
ゼウスの権能は無理矢理に押さえ込んだから、これ以上呪力を与えることはないけど・・・きっかけさえあれば、まつろわぬ神は簡単に光臨してくる。
そして、トリシューラの周りが一度強く光り・・・光が収まると、そこには青黒い肌に三日月の髪飾り、首に蛇を巻いて裸に短い腰巻だけを纏った手の四本ある神がいた。
間違いなく、シヴァだろう。バンガロールにある像そのままだし、トリシューラ握ってるし・・・あ、三つ目の目も開いた。
「ほう、破壊の力につられたが・・・キサマ、神殺しだな?」
「・・・ああ、それであってる。アンタはシヴァだな?」
「いかにも!己が名はシヴァ!この世に破壊をもたらす神である!」
そう宣言するのと同時に、俺は反射的に雷で三人を囲む。
そして、その選択は正しかったようだ。
「・・・神殿がなくなった、な」
「ふむ・・・見晴らしが良くなったな」
周りを見回しても、さっきまでいた人たちが見つからない。
シヴァから目を離せないから後ろは確認できないけど・・・
「では、武勇を決しようぞ神殺し!ここに来よ、ナインディンよ!」
シヴァがそう言うと、白い牛が現れる。
アレがナインディンか・・・
「ソウ兄、多分アレは従属神だと思う」
「ってことは、あれも神か・・・権能は増えないくらいだろうけど、警戒するに越したことはないな。二人は、少し離れてて」
「了解、武双お兄様。何かあったら、勝手に来るから」
「天啓があったら、すぐに教えるね!」
そう言ってはなれて行く二人を、予想通りシヴァは見向きもしない。
ナインディンは・・・少し反応してるな。それでも、シヴァが乗っているからなのか深くは気にしていない。
「さて・・・雷よ!」
先制攻撃は取られて
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