第五章 StrikerS編
第百五十一話 『一夜、明けて…』
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が着いてきている。
今になって思う。
本当に、これでよかったのでしょうか。
クアットロ姉様の言うようにしてよかったのでしょうか、と。
でも、もう引き返すことはできないんです。
こうしてランさんを捕らえて洗脳したからには最後までレンさんを私のものに…。
そこにドクターから通信が入り、
『やぁ、トレディ』
「………ドクター」
『君が機動六課の隊員、あのシホ・E・S・高町の家族であるラン・ブルックランズを捕らえて洗脳したと聞いて話をしたくなったのだよ』
「………そうですか。それで、私はどうすればよいでしょうか?」
『できればその子は私に預けてもらえないだろうか? 見事、調整して洗脳を完璧にしてやろう』
「………それは、拒否します」
『ほう…? 私の命令を拒絶するのかい? トレディ』
「………そういうわけではありません。………ただ、ランさんの事は私に任せてもらいたいのです」
『そうなのかい? 一人で制御するのに苦労はしないかい?』
「………大丈夫です。複数ある思考回路を一つ、活用すれば問題はありません」
『そうかい。ならば任せるよ。ただ、覚えておきたまえ。その子と、そして高町なのははシホ・E・S・高町と話をするための交渉材料だということを』
「………はい。手綱は握っておきますので任せてください」
『頼むよ』
それでドクターとの通信は途切れる。
………やってしまいました。
ドクターの命令に逆らってしまった。
でも、私はこれ以上はレンさんに見限られたくない。
だからこれ以上のランさんの調整はしないでおく。
失敗のリスクは高い。
でも、やってみせる。
そして知るんです。人を愛するという気持ちを…。
たとえ、間違った手段だとしても。私には他に選択肢はないのですから。
そうして道を歩いていると、前方にルーテシアお嬢様がある女性の入った培養液を見ていました。
「………ルーテシアお嬢様」
「トレディ…?」
「………どうされたのですか? その女性は確か、ルーテシアお嬢様のお母様でしたよね」
「うん…。らしいよ」
「………らしい、ですか」
「覚えていないから…」
…そうなのですか。
「適合するレリックコアさえ見つければ、目を覚ます。ドクターにそう聞いた。11番が見つかればこの人は目を覚ます。
そして私のお母さんになってくれれば、私に心が生まれるとも言っていた。だから、探すんだ…」
「………そうですか」
ルーテシアお嬢様も手段がこれしかないから、それでも足掻いているのですね。
見つかるのを。
私と似ていますね。
他に手段がないというところは。
ぜひ、協力してあげたいです。
◆◇―――――――――◇◆
Side 八神はやて
戦闘機人にスカリ
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