第五章 StrikerS編
第百五十一話 『一夜、明けて…』
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…隻眼の魔術師とスカリエッティ一味の手によって、ランと、そして…なのは、オリヴィエを誘拐されてしまった。
地上本部の魔導師達とガジェットや骸骨人形との戦闘もあらかた終わりを見せ始めてきた。
それでシホは少しでもなのはの最後の足取りを辿ろうとするために、骸骨の仮面の集団に負わされた右腕の負傷を包帯で応急処置して動きを開始した。
スバル達には何度か止められたが、構わずにあちこちがガジェットや骸骨人形によって荒らされてしまった地上本部内を散策していた。
「…あれは…?」
シホはなのはの居場所を示す最後の頼みのシグナルが点灯していた位置までやってきて、あるものを発見した。
それは、
「レイジング、ハート…」
そこには待機状態に戻って放置されているレイジングハートの姿があった。
シホはそれを拾い、
「レイジングハート、私よ。分かる…?」
《はい、シホ…》
レイジングハートは返事だけを返してくれた。
しかし、その声は電子音とはいえあきらかに落ち込んでいることがわかるほど気落ちしていた。
「なにが、あったの。なのはとオリヴィエ陛下は、どうして拐われてしまったの?」
《はい…。状況は映像に残されていますので確認できます。しかし…》
「どうしたの…?」
レイジングハートはなにかを考え込むように無言になりしばらくして、
《マスターは何度も『お母さん…』と呟いていました》
「桃子お母さんの事を…?」
《はい。それに虚空に向かって何度か話しかける姿もあり、はっきり言いまして挙動不審の一言でした。マスターの様子は…》
「なのは…一体あなたに何が起きたというの?」
シホは表情を悲しみに歪めながらなのはの身を案じた。
《シホ…》
「なに、レイジングハート…?」
《私は、マスター無しでは動くことも叶わない己の身が恨めしいです。もし、仮に私にマスターと同じく自由に動かせる体があったのなら今頃は…》
そうしてレイジングハートは悔しがる。
シホはその様子を見て、レイジングハートを撫でながら、
(なのは…。あなたに何があったのかわからない。でも、きっと助け出すわ! 当然、ランも! 二人とも…私の家族なんだから!)
シホはそう硬く心に誓うのだった。
そして一夜は明けた。
◆◇―――――――――◇◆
Side ティアナ・ランスター
…あの襲撃から一夜、明けてあたし達は撤収して機動六課にまで戻って検分をしていた。
機動六課の隊舎は何度も攻撃を受けたのかあちらこちらに破片が転がっている。
そして一番目立つのが縦に切られている機動六課隊舎の姿だった。
あたしはその傷跡を見て、
「一直線に切
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