暁 〜小説投稿サイト〜
ノーゲーム・ノーライフ〜3人目の天才(ゲーマー)〜
第7話〜3人はようやく街へと辿り着く〜
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をそらそうとした・・・自分を抑えた。
動揺を奥へと押し込み、その上に真っ暗な“闇”をかぶせる。
自分の感情を押し殺し、冷血に冷徹に・・・限りなく無に近づける。
いつも他人(ひと)へと向けるその目。その顔。
それへと自分をコントロールし移行する。
他人というのは自分以外の人間のことだ。自分と同族でない人間のことだ。
ヘラヘラしながらあの世界で大した苦労もなく、俺から見れば毎日を幸せに充実した暮らしをしているあいつらなんかは、決して俺の同族なんかじゃない。あんなクソみたいなDQNやビッチなんかと毎日顔を合わせたりするぐらいなら、死んだほうがマシだと思う。
と、話が逸れてしまった。
今はあんな世界のことなんか考えなくていいのだ。
今はこの世界で生きていく術を、この世界のことを理解し、考えなければならない。
「・・・・そうか。俺と白は気になることがあるんだが・・・」
「え?空兄ちゃんと白が気になることって?」
「・・・今時間どのくらいだと思う?」
「へ?時間?・・・んと、もうすぐ日没だから・・・六時くらい?」
「まぁ、そんなとこだろう」
「それがどうしたの?空兄ちゃん」
すると、白が会話に参加する。
「・・おかしい、の」
「おかしい?なにが?」
「俺たちはまだ日が高いうち、つまり、夕方前に休憩を始めた」
「時間は、三時、十分」
「ふむふむ・・・それで?どこがおかしいの?」
「俺たちは三時から六時まで何をしてた?」
「・・・え?そ―――れは」
「覚えてない・・・か」
「ね、寝てたとかじゃ・・ないの?」
「それはない。それだったら白が覚えてるはずだ」
「でも、覚えて、ない」
「それってつまり・・・」
「白の記憶は五年前に読んだ本を逆からでも読めるほどだ。その記憶力をもってしても思い出せない。つまり・・・」
「記憶、消されてる」
「なっ!そ、そんなことが可能なの!?」
「可能なんだろうよ。実際消えてるしな―――――っと、やっと着いたみたいだぞ」
「え?あ、ほんとだ」
「疲れた・・・」
ようやく着いたその街は俺たちと似たような顔の“種族”が徘徊していた。
「早速、宿に行くか。俺は歩き疲れたし、白は―――――うん。もうダメみたいだしな」
「そうだね。それじゃぁ行こうか」
そうして俺たちは歩き出した。
俺は歩いて。
空は白をおぶさって。
白は空におぶさって。
俺たちは宿――休める場所――を探して歩き始めた。
この街で――いや、この街から。
三人の生まれ変わった天才(ゲーマー)冒険(たび)がようやく始まるっ!!!
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