第二十六話 常盤台狩りの眉毛女
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常盤台に到着して保健室に向かうとすでに佐天さんの診察は済んでおり、先生の話によると、スタンガンで気絶させられただけなので気が付けばこのまま帰宅しても大丈夫ということだった。一応、眉毛も確認してみたが何も描かれてはいなかったので一安心である。
「神代さんは、犯人の姿を見ましたの?」
「いや、姿は見てない。気配を感じただけ」
「あー、寮監が隠れてた時も分かってたわよねぇ」
白井さんに聞かれたので答えると、御坂さんは先日の常盤台の寮でのことを思い出したようだ。
「気配……ですの。それで犯人を特定することは出来ませんの?」
「出来なくはないけど、ウチが気配で特定しても証拠にはならないんじゃないの?」
「そうですわねぇ……」
また白井さんに聞かれて答える。目撃の証言ではなく気配の証言では、恐らく信憑性がないと取られるだろう。
「そう言えば黒子、そっちの方はどうなの? 佐天さんの件で無理矢理呼んじゃったけど、ジャッジメントの仕事があったんじゃなかったの?」
「あぁ……それでしたら、私達が呼び出された件と佐天さんの件は同じ事件になりますの」
御坂さんが白井さんに仕事のことを尋ねると白井さんが答える。昨日から学舎の園の中で常盤台の生徒だけを狙った連続傷害事件が発生していて、被害者は全員スタンガンで昏倒させられた上、マジックペンで眉毛を描かれていたというアニメ通りの内容である。
「だとしたら佐天さんは眉毛描かれなくて良かったわね」
御坂さんが一度佐天さんの眉毛を確認してからつぶやいた。
「そうですわね。お手洗いで被害に遭ったということですし、神代さんが気付かなければ間違いなく描かれていたと思いますの」
白井さんも佐天さんの眉毛を確認しながら御坂さんに同意する。
「あっ、そう言えば……初春を迎えに行きませんと」
「迎えに?」
思い出したように白井さんがつぶやくが、それを聞いた御坂さんが尋ねる。
「ええ、今回の事件は狙われているのが常盤台の生徒だけなので、常盤台に臨時の捜査本部を置いて、一七七支部からは私と初春が出向することなってるんですの」
「そうなんだ。なら私も協力するわ」
「それならウチも」
白井さんの言葉を聞いて、どうやら白井さんと初春さんはこの事件の担当をするようなので御坂さんが協力を申し出た。そして、御坂さんが協力を申し出るなら当然俺も便乗する。
「そうですわねぇ。でしたらお姉さまと神代さんは第三生徒指導室に向かってくださいまし」
今回は御坂さんも俺も当事者だからなのか、白井さんはすんなりと了承してくれた。しかし、第三生徒指導室って……どれだけ生徒指導するんだ? この学校。
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