第二十六話 常盤台狩りの眉毛女
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った常盤台の生徒とこの世の全ての眉毛が憎いというアニメ通りの内容だった。
「だから皆、面白眉毛にしてやろうと思ったのよ!」
「あ……あのー……」
「えーっと……途中から話が見えないんですけど……」
重福さんの話を聞いて、話についていけなかった白井さんと御坂さんが言葉に困っている状態で、佐天さんが普通に固まっていて、俺は笑いをこらえるので必死になっている。もちろん、重福さんの眉毛ではなく話の内容が可笑しいのだ。
「何よ。どうしたの? さあ笑いなさいよ!」
「えーっと、変じゃな……」
「あーっはっはっはっはぁっ」
「ちょっ、神代さん!」
ここで佐天さんが重福さんの眉毛を褒めることでフラグが立つはずだったのだが、俺のほうが堪えきれなくなってしまい大笑いしてしまった。折角の雰囲気が台無しになってしまったわけだが、こればっかりはどうしようもない。
「春、うららかな日差しの中で……とか、この世の全ての眉毛が憎い……とか、もう、可笑しくって可笑しくって……はぁーっ、はぁーっ」
息があがってしまうほどひとしきり笑った後で息を整える。
「何よ。本当は眉毛が可笑しいんでしょう!」
「いや、別に。ところで、その前髪って眉毛隠すためだよね?」
「そうよっ! 悪い?」
どうしても俺の大笑いした理由を眉毛にしたいようなのだが、俺は普通に話の内容のほうで笑ったので簡潔に答える。そして、分かりきっていることではあるが確認の為に尋ねると思ったとおりの答えが返ってきた。
「いや、これはウチの予想なんだけど……」
と前置きをして俺は話し始めた。重福さんの彼氏は眉毛を見たことがなかったがために、勝手なイメージを作り上げていたのではないかということ。そして、ある程度彼氏の中でイメージが固まってしまった状態で、実際の眉毛を見たらギャップが激しかったのではないかということ。話は変わって、俺が小学校の頃に同じクラスの友達がメガネからコンタクトに変えたときに、クラスの中で大爆笑が起きたこと。つまり、固まってしまったイメージと違うからこそ笑われるのではないかということである。
「確かにその眉毛は変わった形してると思うけど、最初から見せてればそれが普通になるのよ。多分ね」
「けど……」
俺が言い終わった後で重福さんが何か言いたそうではあったのだが、結局言葉には出来なかったようだ。まぁ、コンプレックスというのはそう簡単にどうこうできるものではないだろう。
「あと、他の可能性としては、その彼氏さんは以前からすでに心が離れていて、眉毛の話は単なる口実だった、とかね」
「そんなことっ……」
俺がもう一方の可能性を示すと重福さんにも思い当たる節があったのだろう、否定しよう
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