第二十六話 常盤台狩りの眉毛女
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、決め台詞というには微妙な気もするが……。
「なんで、なんでダミーチェックが効かないの!?」
「いや、効いてたけどね」
重福さんの疑問には俺が答える。ダミーチェック自体は俺に対してでも効果を発揮していたわけだが、姿が見えなかったところで俺は問題なく追いかけることが出来ただけである。
「だったらどうしてっ!?」
「それは、ヒ・ミ・ツ、です」
更に聞いてくる重福さんに俺がスレイヤーズ世界で知り合った某獣神官のまねで答えると、重福さんはスタンガンを握りなおして俺に向かって突進してきた。
「これだから常盤台のお嬢様はー!!」
「あらら、ウチに来たか」
俺はスタンガンの電極に触れないようにしながら重福さんの手首を掴むと、スタンガンを取り上げて白井さんの足元へ転がした。そして、重福さんの体勢を崩して地面に組み伏せる。
「残念でした、ウチは常盤台の生徒じゃないからねー。あと、そこの佐天さんもね」
「だったら、なんで常盤台の制服なんか着てるのっ!?」
一応、俺と佐天さんが常盤台の生徒でないことを伝えてみると、やはり今の格好のことを聞かれた。まだ佐天さんや白井さん、そして御坂さんの位置からは見えてないのだろうが、俺の位置からは重福さんの独特な眉毛がはっきりと見えている。
「んー……まぁ、簡単に言えば……コスプレ?」
「コスプレって何よっ! ……え……きゃっ!!」
俺の適当な答えにより、重福さんがヒートアップして俺を睨んできたわけだが、それで俺の視線の先に気付いたらしい。
「へっ?」
「あ……」
「嫌っ、見ないでっ!」
俺に見られまいと首を振ったのが裏目に出て前髪が横に流れてしまったため、重福さんの特徴的な眉毛が皆からも見えるようになってしまった。
「何よ、笑いなさいよ。笑えばいいでしょ!」
重福さんが眉毛を隠すことが出来ないのは俺が組み伏せているからなので、取り敢えず重福さんの片手を自由に動かせるようにすると、重福さんはその手で眉毛を隠しながら周りを睨みつけていた。
「まー、取り敢えず座れるところへ行こうか」
アンチスキルが来るまでこのままというのは、俺もそうだが重福さんがつらいだろうと思ってベンチまで移動することにした。
「笑えばいいじゃない! あの人みたいにっ!」
「あの人?」
あー、やっぱりアニメと同じ展開に持っていくんだ。と思いながら、俺は重福さんを立たせて公園のベンチまで歩かせる。重福さんも抵抗する意思はないようで、素直にベンチまで歩いていた。
ベンチに座るなりしゃべり始めた重福さんの話は、彼氏を常盤台の女に取られてその彼氏から自分の眉毛が変だと言われたことで、自分を捨てた彼氏と彼氏を奪
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