第二十六話 常盤台狩りの眉毛女
[5/12]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
映像を再生しながら初春さんが呟く。初春さんと白井さんが慌てて出て行ったため、開けっ放しになっていた扉から犯人と思しき人物がそのまま入ってきて、俺とぶつかりそうになった後でお手洗いのほうへ向かっていった。
「あの時変なことしてると思ったけど、こんな風になってたのね」
「ウチもこんな風になってるっていうのは初めて見たんだけどね。気配でしか分からなかったし」
あの時のことを御坂さんに言われて、俺も正直な感想を言う。
「しかし、開けっ放しの扉から入ってきたということは、責任の一端は私達にもありますわね。佐天さん、ごめんなさいですの」
「いや、ちゃんと扉を閉めなかったのは私ですから。すみません、佐天さん」
「初春も白井さんも急いでたんだし仕方ないですって。こうして私は無事だったわけだし」
白井さんと初春さんに謝られて佐天さんが答える。まー、佐天さんも別に二人が悪いなんて微塵も思ってないだろう。
映像のほうはその後、俺がお手洗いに向かって駆け出し、後から御坂さんも追いかけてこようとするが、画面の端から出てきた犯人に御坂さんが見事なタックルをかまされて倒され、犯人がまんまと逃げていった状況が捉えられていた。
「ふっ……ふっふっふっ……。あの野郎、とっ捕まえて最大電流浴びせてやる!」
「ちょっと、お姉さ……ま゛ぁっ!?」
映像を見た御坂さんが怒りに任せてヤバそうなことを口走り、白井さんがそれを止めようと御坂さんのほうを見て驚く。俺からは見えてないわけだが、それほどに今の御坂さんは恐ろしい顔をしているのだろう。まぁ、犯人が普通に逃げてるところへぶつかっただけならこうはならなかったのだろうが、犯人は明らかに御坂さんに向かってタックルをかましていたのだ。それを今になって知って御坂さんは怒り心頭なのである。
「初春さん、この映像から犯人の特定って出来る?」
「はい、勿論です。今、データの照会作業中です」
俺が初春さんに尋ねると、すでに初春さんは作業を進めていた。
「あ、出ました。関所中学校二年、重福省帆、能力名は視覚阻害のレベル2ですね」
該当データが表示されたところで初春さんが読み上げる。画面には顔写真も表示されているが、監視カメラの映像と見比べても同一人物で確定していいだろう。
「一応佐天さんに確認してみるけど、この人で間違いない?」
「うん、間違いない。こいつです」
俺が念のため佐天さんに確認して目撃者の証言を得る。
「佐天さん、犯人を見ましたの?」
「ええ、鏡に映ってたので」
「あら、そうでしたの」
白井さんはちょうど監視カメラ映像を取りに行っていたので、佐
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ