第二十六話 常盤台狩りの眉毛女
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トパソコンで、ちょうど婚后さんの取調べの映像が流されていた。
『ですがー、監視カメラの映像には……』
『それでも私は本当に見ておりませんの!』
そこまで見たところで白井さんがいきなり映像を止めてしまったのだが、アンチスキルの鉄装さんに監視カメラの映像を見せられ、机をたたいて抗議する婚后さんはしっかりと扇子で眉毛を隠しながら取調べを受けていた。
「ん? 監視カメラには映ってるの?」
本当は知っていたことだが、この映像を見るまで言えなかったことを口にする。
「ええ、監視カメラには映っているのですが目には見えないんですの」
「いや、監視カメラの映像から犯人を特定できない?」
まぁ、普通に考えれば真っ先に思いつくことだとは思うのだが……。
「残念ながら顔が分かるほどに映っているものがありませんの」
アニメでは監視カメラの映像を頼りにという進め方をしなかったので、映像での特定が難しかったのだろうことは予想できた。なので、もう一押ししてみる。
「なるほど。でもさー、パスティッチェリア・マニカーニの監視カメラなら顔が分かるぐらいの映像が残ってる可能性も高いんじゃない?」
「あっ!!」
「そっか、確かに」
「そうでした!」
俺の一言で三人が声を上げる。やっぱり誰も気付いていなかったのか。
「白井さん、パスティッチェリア・マニカーニから映像を貰ってきてください。お願いします」
「了解ですの」
「あ、ちょっと待って!」
初春さんに頼まれ、白井さんがすぐテレポートで飛ぼうとしたところを俺が引き止める。
「どうしたんですの?」
「パスティッチェリア・マニカーニに行くんだったらコレ返してきてもらえるかな」
俺は白井さんに店長から貰った無料券を渡した。
「どうしたんですの? これ」
「いやー、白井さんに電話した後で店長に事件の話をしたら貰ったんだけどね……」
「なんて羨ましい……」
白井さんに尋ねられて答えると初春さんが何やらつぶやく。
「その時には連続常盤台狩り事件って知らなかったし、お手洗いで起こったから店員とグルになって万引きする犯人じゃないかと思って、そのことを店長に伝えちゃったのよ。だから、向こうはウチが暗に口止め料を要求したと思ったんじゃないかなーと思ってね」
「分かりましたの。でしたら、これは返してきますわね」
「お願いします」
俺が頭を下げると、その瞬間に白井さんはテレポートで消えていた。
「う……うぅっ……あれ、私……」
「あ、佐天さん!」
「佐天さん、気がついたんだ」
白井さんが出て行ってからしばらく、佐天さんが意識を
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