第二十六話 常盤台狩りの眉毛女
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としたところで言葉を詰まらせる。
「だ……大丈夫ですよ。重福さんならこれからだって彼氏の一人や二人作れます。その眉毛だって見方によったらチャームポイントですって。私はそれ、好きだなぁー」
あらら、こっちもやっぱり言っちゃうのか。表情が暗くなった重福さんを見かねて佐天さんが励ましたわけだが、アニメ同様重福さんの頬が染まる。
「罪な女ですの」
「え……えぇっ……えぇぇーーーーーっ!?」
白井さんのつぶやきに佐天さんが振り返り叫び声を上げた。まさに、アニメ通りである。
「あの、佐天さん、神代さん、手紙……書いてもいいですか?」
「え、ええ」
「あれ、ウチも?」
それからしばらくしてアンチスキルが到着すると重福さんを引き渡すが、手紙の相手になぜか俺まで入っていた。
「だめ……ですか?」
「だめじゃないよ、別に。ただ、ウチまで入ってたことに驚いただけ」
手紙を書くのに相手から許可を貰う必要なんてないと思うんだけど、とは言わずに返しておく。しかし、返事を書かなかったらオ・ハ・ナ・シなんてことはないよね?
「じゃー手紙、書きますね」
重福さんは少し嬉しそうに言って護送車に乗り込む。
「さーて、戻りますか」
「そうですわね」
「はーい」
護送車を見送ったあと、御坂さんが伸びをしながら皆に声をかけ、臨時捜査本部がある常盤台の第三生徒指導室まで戻ることになった。
「あ、お帰りなさーい」
戻ってくると初春さんが出迎えてくれる。しかし、初春さんのテーブルの上は明らかにおかしかった。
「初春さん……それ……」
「あー、私の為にこんなに沢山ケーキを買ってきてくれるなんて、本当にありがとうございます。全部美味しく食べさせて頂きました」
「なっ!!」
一応俺が聞いてみたが、初春さんは本当に全部食べてしまったらしい。それを聞いた御坂さんも驚きの余り言葉が出なくなっている。
「あれだけあったのを……全部なんて……」
パスティッチェリア・マニカーニの箱を全部確認しながら御坂さんがつぶやいた。
「全部は駄目でしたか?」
「あの中でウチが初春さん用に買ったのは二つだけだよ。後はウチの分と佐天さんの分と御坂さんの分」
「え゛っ……」
いつもの調子で初春さんが尋ねるので俺が答えると、初春さんは固まってしまった。御坂さんのケーキが一つ、佐天さんのケーキも一つ、初春さん用のケーキが二つで俺用が三つなので合計七つ。それだけのケーキ全部が自分のために買ってきたものだとよく思えたなと、呆れを通り越して感心してしまう。
「う〜い〜は〜る〜!!」
自分のチーズケーキを食べられたことで佐天さん
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