第三章 [ 花 鳥 風 月 ]
三十四話 舞い降りる狂花
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に手を伸ばしたその時、強力な妖気を感じ視線を感じた方向に向けた瞬間轟音と此処からでも確認できる程の爆煙が見えた。
「な、何が!紫様!何があったんですか!」
その音による衝撃で店の置くから驚きの表情をした秀介が飛び出してきた。
「…分からないわ、私は原因を探りに行くわ。秀介、貴方は自分の避難と後余裕があったら他の住人達も避難させなさい。神社の方に向かえばとりあえずは安全の筈だから」
「わ、分かりました!紫様もお気を付けて!」
秀介はそう言うとすぐに店の中に向かい両親を伴って避難を始める。普段は情けないけど此処ぞ、という時はしっかりしているから大丈夫ね。そして私はこの騒動の原因の元へと飛んだ。
□ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■
爆発の中心地にその女は立っていた。緑の髪に赤い服、そして白い日傘。
見渡せばあちこちに破壊され煙を上げて倒壊している家屋などが確認できた。状況から判断して犯人は間違いなくこの女だろう、と私は確信した。
こっちの存在に気付いたのか女は私に視線を向けたまま飛び上がりこちらに接近してくる。そして私の五メートル手前で止まると口を開いた。
「御機嫌よう、貴方に聞きたい事があるのだけれどいいかしら?」
全く邪気など感じさせない笑顔を浮かべるその女に私は違和感しか感じない。この惨状を造り出しておいて何が御機嫌よう、だと言うのか。女は私の心情など気にもしていないのか言葉を続ける。
「此処に七枷虚空、という男が居る筈なんだけど知らないかしら?」
女の質問は私にとっては少々予想外のものだった。
「…先に聞くけれど…その人を見つけてどうするのかしら?」
逆に質問をする私に女は笑顔のまま口を開いた。
「あら?そんなの決まっているじゃない」
笑顔のまま本当に楽しそうに、もしくは嬉しそうに、
「八つ裂きにしてぶっ殺すのよ!」
そう言葉を吐いた瞬間、女から強烈な殺気が迸り妖気が溢れ出した。その表情は暗い愉悦に浸っているかの様だ。
その殺気を受けて、否先程の言葉を聞いた瞬間に私に中で何かが切れる感じがした。
「へぇそうなの、いい度胸しているわね。今なら見逃してあげてもいいわよ?」
私はそう言いながら手元にスキマを開き、中から長さ二十センチ程の鉄扇を取り出し戦闘態勢を取る。はっきり言うとこの女が引くとは思っていないし見逃す気もなかった。お父様を害すると公言する相手を許すほど私は寛容ではないのだから。
私の発言が気に触ったのか女は不機嫌そうに言い放つ、が私は女の言葉などに耳を傾けず言葉を放っていた。
「何ふざけた事を言ってるのかしら?七枷虚空の居場所を知
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