第三章 [ 花 鳥 風 月 ]
三十四話 舞い降りる狂花
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女の子も負けじと叫んだ。
「幽香の花はあたいが守るんだ!!」
女の子が叫んだ瞬間背中の氷の羽根が巨大な刃の翼へと変わり人型妖怪をズタズタに切り裂いた、が限界がきたのか氷の翼は砕け女の子は倒れ付したまま起き上がれずにいた。
その様子に残った妖怪達が止めを刺そうと殺到しその攻撃が女の子を貫かんとした時、横合いから飛び出してきた人物が女の子を抱えながらその場を離れ妖怪達の攻撃から守った。
「チルノちゃん大丈夫!しっかりして!」
チルノと呼ばれた子を助けたのは緑色の髪を左側頭部でサイドテールにまとめた黄緑色の瞳をした小柄な少女だった。白い半袖のシャツに青いセミロングのワンピースを身に着けている。その背には半透明な翼が生えていた。
その少女には戦う力が無くチルノに隠れている様に言われていたのだが、大切な友を見捨てる事など出来ず無謀を承知で飛び出したのだ。しかし状況は好転せず周囲を妖怪達に囲まれてしまい逃げられなくなってしまった。
自身が持つ『転移する程度の能力』があるがこの力は一定空間の人物を巻き込む為、今使っても妖怪も一緒に転移するので意味が無い。絶望的な状況に目に涙を浮かべながらも友であるチルノをしっかりと抱きしめ守ろうとする姿に妖怪達は嘲笑を浴びせる。
大柄な猿妖怪が巨大な腕を振り上げ少女二人に鉄槌の如く叩きつけようとした瞬間、何処からか飛来した円刃にその巨椀をを切断され猿妖怪が斬り裂かれた腕の痛みに絶叫を上げた所に更に四つの円刃が飛来し身体をバラバラに切断された。
いきなりの襲撃者に残った四匹の妖怪は驚愕し慌てて周囲を見渡そうとしたが自分の身体が石の様に硬くなり動けない事に更に驚愕した。
そんな風に動けなくなった妖怪達の前に降り立ったのは黒髪で黒い服を着た男だった。その男を見て妖怪達の驚愕は頂点に達した、何故なら妖怪達にしてみれば此処に来る筈の無い者なのだから。
□ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■
「な、何で此処にこいつがいるんだ!「もう討伐に来たのか!「あの女と入れ違いになったってのか!「どうすんだよ!こんな話し聞いてねーぞ!」
綺羅の捕縛符で動きを封じられている妖怪達が僕を見るなり何やら喚き始めた。言っている事の中に気になる所が色々在るけどとりあえずは倒れている女の子達を優先しよう。そう思い僕が傲慢を解除して視線を向けると倒れていた二人にさとりとこいしが駆け寄っている所だった。
「チルノ!大ちゃん!大丈夫ですか!」
「ふ、二人共無事だったの!良かった!」
「一体何があったの?幽香お姉ちゃんはどうしたの?」
こいしの問い掛けに緑の髪の少女が説明を始めた。
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