第三章 [ 花 鳥 風 月 ]
三十四話 舞い降りる狂花
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通経路や取引相手、他の流通拠点等の資料探しをしている。
僕の他にさとりとこいし、地子も居るけど地子にはどれが何の類の書類なのかは理解できないようで頭の上に?が大量に飛び交っているのが幻視できる。
さとりとこいしの方は書類を集める度にその内容に顔を歪めていた。まぁそうだろう此処にある書類の殆どが人身売買に属する物ばかりなのだから。
一通り書類が集まり纏めていると部屋の扉が開きルーミアが顔を覗かせた。
「虚空こっちは終わったわよ、そっちは目的の物見つかったの?」
ルーミアには綺羅の娘の救出と砦内の敵の殲滅をお願いしてあったのだが意外に速く終わったようだ。
「こっちも終わったよ、いやー出るわ出るわ、これは帰ってから大変だ」
神社に戻ったら神奈子にも手伝いを頼まないとね。後は他の都の行政や警邏等にも助力を仰がないといけない。まぁこの書類を読む限りその行政や警邏の一部もこいつ等と繋がっているみたいだけど。
「それじゃぁ砦から出ようか、綺羅は?」
僕がルーミアにそう聞くと部屋に綺羅とさとり達と同じ位の背丈の女の子が入ってきた。綺羅と同じ黒い瞳と肩で揃えられた黒いおかっぱ、蝶の刺繍がされている萌黄色の着物を着ている。
女の子は僕の前にやってくると、
「助けて頂き誠にありがとうございます!父共々幾ら感謝しても足りません!申し遅れました私は博麗 百合(はくれい ゆり)と言います」
頭を下げながら僕に感謝の意を伝えてくる百合に頭を上げる様に頼み、綺羅に視線を向けると綺羅も頭を下げていた。どうやら親子共々生真面目みたいだ。
「僕達にそこまで感謝する必要はないよ、単に偶然の積み重ねなんだから。ねぇルーミア?」
僕の問い掛けにルーミアは此処に来た経緯を思い出したのか苦笑いを浮かべ、
「えぇそうね、気にしない方がいいわ。本当に」
僕達の台詞に博麗親子は多少困惑の表情を浮かべていた。
目的も達した事なので僕達は部屋を後にし砦の外へと歩を進める途中僕の隣りを歩くルーミアが小声で問いかけてきた。
(今考えたら最初から力押しで襲撃していた方が良かったんじゃないの?)
(良い訳ないでしょ、そもそも内情を確認もせず襲撃するなんて只の馬鹿だよ)
ルーミアの言いたい事は何となく理解できるけど、僕達が元々此処に潜入したのは連れて行かれたあの子達の状況を探る為なんだからいきなり正面から襲い掛かっても悪い方にしか転ばない気がする。ルーミアはこういう所が結構直情的なんだよね。
全員が砦の外に出たのを確認した僕は怠惰 を呼び出し、念の為二度と此処を利用できないように砦を原形が無くなる様に押しつぶした。
「後は此処に張られている結界を消すだけなんだ
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