暁 〜小説投稿サイト〜
SecretBeast(シークレットビースト)
本編 第一部
三章 「戦火の暗殺者」
第十七話「戦前の剣舞」
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しに剣道がなかったらわたしはいまごろどうなっていたか、でもそれでもあなたに届かないかもしれない。だけど剣士は、わたしは、伊佐さんが神がかりな上達をしようとも剣のみでは私も神がかった境地を超えてみせる自身があります。次の一撃、わたしの全身全霊を込めましょう」
「それは、わたしもだ。受けて立とう。拳士として!」
 三試合目が始まった。どちらも開始直後に残像だけ残して消えた。空中でぶつかり合う空気の塊の音が響く。一瞬、二人が互いの位置を入れ変わって、現れたとおもったらまた消える。そして、もはや衝撃波さえ、感じる両者のぶつかり合いは頂点に達する。すると両者の竹刀が、中央で回転しながらはねとんだ。ぼろぼろの竹刀は天井に突き刺さる。しかし、戦いは終わらない。すぐさま、剣立てから二本の竹刀が消える。そして一瞬、友恵が四つに見えて、伊佐も四つに分かれて迎撃に行く。しかし空中に飛んだ五つ目の友恵の分身までには追いつかない、友恵は天井に着地して、突き刺さっていた二本の竹刀をまっすぐ投げつけるとそれはそのまま、地面につきささり伊佐の足捌きを止めてしまう、そこからもう一つ加速して友恵は渾身の一撃を伊佐にたたきつけた、道場の床がへこみ、伊佐の竹刀もろとも面が砕けた。
 勝者は友恵だ!剣道部員からは割れるような拍手と声援がどっと沸いた。友恵は、地面に倒れている伊佐に手をさし伸ばした。
「ありがとうございました。伊佐さん!本当に、今日の試合は絶対忘れません!」
「わたしこそ、友恵という名剣士に深く尊敬の念を送りたい。今の友恵はその美しさに恥じない立派な女剣士だよ!」
 二人は、輝かんばかりの笑顔でこの試合の幕を閉じた。
 しかし、あとからきた、藤沢と島は驚いた。この試合の凄まじさもそうなのだが、豊村の相手の美少女剣士が友恵だと気づくのに時間がかかった。なぜなら、友恵が人が変ったというくらいの美女になっていたからだ。
 んでもって、あらためて、その友恵が部員たちの喝采を浴びてるところでぽかーんとしていた二人に。正確には藤沢にその美女が、恨めしそうな目で睨んでくるので藤沢はいわれのない恐怖を感じざるおえないのだった。

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