暁 〜小説投稿サイト〜
緋弾のアリアGS  Genius Scientist
イ・ウー編
武偵殺し
12弾 強襲科とレオポン
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…………ぁー……!」

 べた。

 と、アリアはガラスケースにへばりついた。

 アリアの背の低さとぬいぐるみという背景が相まって、まるで本物の小学生みたいだ。

 この時間帯にこんな姿でゲーセンにいたら、警察に補導されんじゃないだろうか。その時は他人のフリをするとしよう。

「どうした。そんなに珍しいのか?」

「……」

「どうしたんだよ」

「…………」

「腹でも減ったのか?」

 この辺にももまんを売ってる店はないが。

「……………………かわいー……」

 なんだ。

 呟かれたアリアの言葉に、俺はちょっと脱力する。

 まあ、確かにケースの中のぬいぐるみは可愛いかもしれないが……鬼神の如き強さを誇る見敵必殺の武偵『双剣双銃(カドラ)のアリア』様のセリフじゃないだろ、それは。

 おいキャラが崩壊してるぞ、とツッコミを入れようと思って横からアリアの顔を覗き込むと、口を逆三角形にしてヨダレを垂らしかけている。やばいなこれは。放送禁止レベルの顔だぞ。

 そんなアリアの様子に苦笑してから、俺はアリアに問いかけた。

「やってみるか?」

「やり方がわかんない」

「幼稚園児でもできるぞこんなの」

「すぐにできる?」

「もちろん。じゃあやり方を教えてやろうか?」

 俺が言うと、アリアはこっちに向き直ってこくこくこくこくと首を縦に振った。

 なんなんだこのアリアは。調子が狂うにもほどがある。

 説明するほどのルールでもなかったが、縦ボタンと横ボタンを順番に押せと教えてやると、アリアはトランプ柄の財布を出して100円玉を取り出し、筐体の中へと入れた。

 そして筐体の前で姿勢を正し、狙撃の訓練でもやってるかのような真剣さでクレーンを操作し始める。

 うぃーん……

 ぽとっ。

 だが、狙いが悪い。ライオンなんだか以下略はアリアのクレーンで前足を少し上げただけで、持ち上がりすらしない。

「い、今のは練習っ!おかげでやり方が理解できたわ」

「そりゃ一回やればバカでも理解できるわな」

「もっぺんやる」

 アリアが財布からもう100円取り出し筐体に入れると、ばしっ!ばしっ!とボタンを押した。

 だが……ぽとっ。

 ぬいぐるみは今度はオシリとシッポを少し上げただけだ。こいつド下手だな。

「ちなみに500円入れると6回できるぞ」

 5回分の料金で6回プレイできるというクレーンゲームの唯一の良心的システムをアリアに教えてやる。

「うっさい!次こそ取れる!コツがわかった!」

 それ分かってない奴のセリフだぞ。絶対に分かってねえな、こいつ。

 うぃーん、ぽとっ。

 案の定、また
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