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緋弾のアリアGS  Genius Scientist
イ・ウー編
武偵殺し
12弾 強襲科とレオポン
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てキンジなんだから。

 それなのにあの時の俺は、Genius(天才)なんて呼ばれていい気になって。その結果、大切なものを、キンジを――――

「どうしたのよ、急に黙りこくって」

 気が付くと、アリアが下から俺の顔を覗き込んでいた。

「具合でも悪いの?」

「い、いや大丈夫だ。問題ない。俺は全然元気だ」

「そう、ならいいけど」

 しばらく、お互いに無言の時間が続いた。

 この沈黙の時間を破ったのはアリアだった。

 アリアは少し視線を地面に落として呟いた。

「あのさミズキ」

「なんだ?」

「ありがとね」

「何を今更」

 小声ながらも心底嬉しそうなアリアに、俺は少し苛立った声で返す。

 そりゃ、おまえは嬉しいだろうさ。

 文字通り、自分のために戦う『ドレイ』を手に入れたんだから。

「勘違いしないでほしいんだが、俺は『仕方なく』強襲科(ここ)に戻ってきただけなんだからな。事件を1つ解決したらすぐに装備科(アムド)に戻る」

「分かってるわよ。でもさ」

「何だよ」



強襲科(アサルト)の中を歩いてるミズキ、みんなに囲まれててカッコよかったよ」



 アリアははにかんだような笑顔で言った。やめろ、照れるだろうが。

 まったく、なんでそういうことを言うんだよ。

 本人にそういうつもりは一切無いんだろうが、女子に――――それも、見た目だけならトップクラスに可愛い女子にそんなことを言われると、こっちは反応に困る。

「あたしになんか、強襲科(ここ)では誰も――――って訳でもないか。あの娘はあたしに結構懐いてきてくれてるみたいだし。でも、ほとんど誰も近づいてこないからさ。実力差がありすぎて、誰も、合わせられないのよ……まあ、あたしは基本的に『独唱曲(アリア)』だからそれでもいいんだけど」

独唱曲(アリア)……」

 独唱曲(アリア)とは、オペラの用語で、1人きりで歌うパートを意味する。ひとりぼっちで、孤独に歌うパート。

 自分をそう呼んだアリアの顔は、どこか(かげ)って見えて。

 どうしてだか俺は、アリアがそんな顔をしているのが許せなかったので。

「じゃあ、俺をドレイにしたのは『デュエット』になるためか?」

 つまらないギャグで、アリアを笑わせることにした。

 作戦は成功したようで、アリアはクスクスと笑った。

「あんたも面白いこと言えるじゃない」

「そんなに面白かったか?」

「面白かったよ?」

「おまえのツボはよく分からんな」

「やっぱりミズキ、強襲科(ここ)に戻ってきてちょっと活き活きしだした。昨日までのあんたは、なんか自分に嘘ついてるみたいで、どっか苦しそ
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