第二十三話 血塗れのペギル
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S全「瞬間移動」
赤面の吸血鬼の奴等が言った瞬間、辺りが眩しい光に覆われて俺は思わず目を瞑っちまった。しばらくしてから、恐る恐る目を開けると、
ナ「んなっ!?」
ハ「な、何だここっ!?」
隣にいたハッピーも目が飛び出るくらいの勢いで驚いていた。俺とハッピーが目にした光景は、天井も壁も床も真っ黒で、天井から銀色の長い鎖が何本もぶら下がっている不気味すぎる部屋。壁には金色の額縁に飾られた吸血鬼の絵が描かれていた。絵の吸血鬼は漆黒のマントをひるがえし、真っ赤な口から鋭く先の尖った二本の歯が覗いていた。
ハ「ナ、ナツゥ・・この絵・・・こ、怖すぎるよぉ〜・・・・」
ハッピーが歯をガチガチ鳴らし、小刻みに震えながら俺の足にしがみ付く。正直、俺もこの吸血鬼の絵には驚いた。ていうか、
ナ「何だ、この嫌な臭いは?」
部屋に充満している少し生臭い臭い。滅竜魔道士は竜のように視力、聴力、嗅覚が優れている。その為、俺は鼻を摘まんでも臭う。ひっでぇ〜臭いだな。
ハ「おいらは何も臭わないんだけどな〜。」
ハッピーは不思議そうに俺の事を見る。すると、
ペ「流石滅竜魔道士だな。この臭いにすぐ気づくとは。」
ナ「誰だっ!」
背後から声を掛けられ、鼻を摘まんだまま後ろを振り向く。そこにはいつの間にか現れたのか赤面の吸血鬼のギルドマスター、ペンギンがいた。
ペ「人の名前を動物と間違えるとは無礼なっ!俺はペギル!ペギル・パイオニーだっ!!」
ナ「別に変わんねぇじゃねぇかよ。」
ペ「変わるっ!変わりすぎだっ!!」
自分の名前に妙にこだわる。めんどくせぇ〜奴だな〜。ていうか、
ナ「S級の奴等はどこだ。俺はあいつ等と戦いてぇんだよ。」
ペ「あいつ等はお前の仲間達と地下にある赤面の吸血鬼の魔道士専用の修行室で戦っている最中だ。だが、あいつ等に勝つ事は不可能だ。お前の仲間はすでに死んでいるかもな。」
ペンギンが不気味に笑った。ガンッ!と俺は固く握り締めた拳で部屋の壁を殴った。
ナ「妖精の尻尾を甘く見てると後悔すっぞ。お前が思ってる程、妖精の尻尾は弱くねぇよ。もしかしたら、お前の仲間の方が俺の仲間にボロボロにされてると思うぜ。」
ハ「こっちにはエルザやグレイ、シンだっているんだっ!お前等みたいな悪者には絶対に負けないぞっ!!」
俺に続いてハッピーが言う。俺
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