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問題児と最強のデビルハンターが異世界からやってくるそうですよ?
Mission5・B ~大切なもの~
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マジでもう世界の果てにまで俺も乗り込むか? いや、それで明日のゲームとかに間に合わなかったらやだし……)
ありとあらゆる悪魔を狩る最強のデビルハンターでも、『暇』という難敵には苦戦を強いられることとなった。
いったい何をしようか、どこに行こうか。
月明かりが差し込む長い回廊を歩きながら、必死に思考を纏めようとするダンテ。
だが、考えても考えても何も思い浮かばず、もはや頭を働かせること自体が面倒くさくなってきてしまった。
(……もういいや、帰って寝るか)
結局己の怠惰に身を任せることになり、ダンテはトボトボと自分の部屋にまで歩いていく。
ハァ、と彼にしては珍しく重いため息を吐きながら、来た道を戻っていった。
そしてダンテが何気なく窓の外へと視線をうつしたそのとき。
「……ん?」
ダンテはあるものが目に入った。
それは、コミュニティの別館。
ダンテたちのいる本館は、ギフトゲームに参加する人間の住居となっているのだが、その隣には子供たちの家である別館が立っているのである。
彼の今いる廊下の窓からはその別館が見えるのだが……
「んん……?」
厳密に言えば、彼の目に入ったのは建物ではなく、その建物の窓近くに立つ小さな人影だった。
あちら側はもう灯りが消えていて暗くてよく見えないが、夜目が効くダンテはハッキリとその人物を見ることができる。
どうやら女の子のようだ。
ダンテも見たことがまだないので、水樹を植えるときにはいなかった子供らしい。
齢はまだ十歳にもなっていないだろうその娘は陰鬱な表情で夜空と月を眺めていた。
もう子供たちは寝る時間だというのに、いったい何をしているのだろうか。
(おいおい黒ウサギ、躾けがなってねぇぞ? こんなガキんちょの時から夜更かしなんて覚えさせたらダメだろーが――って俺もやろうとしてたか。言えた義理じゃねぇ)
やれやれと首を振りながら、ダンテは少女を眺める。
自分も子供のころはいつまでも眠らずにはしゃいで、よく母親を困らせたものだった。
幼い頃から元気の塊のようだったダンテは言うことを聞こうとせず、彼を寝かせつけようとする母親をからかったりしたものだ。
結局そうして遊び疲れて寝るか、もしくは母親の雷が落ちて渋々寝るかで夜更かしなどできなかったのだが。
ちなみにバージルはちゃんと言うことを聞いて寝ていたものである。
双子なのにこの性格の差はいかにして生まれてしまうのだろう。
(……見ちまったもんは仕方ねぇな。ちょっくらお説教と洒落込んでみますかね)
回想もほどほどにして、ダンテは窓を開け放った。
本館と別館の間の距離に見当をつけると、窓の外に身を乗り出す。
悪いことをしている子供には、いつ
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