暁 〜小説投稿サイト〜
問題児と最強のデビルハンターが異世界からやってくるそうですよ?
Mission5・A ~大切なもの~
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まってしまったかのように飛鳥と耀は動きを止め、信じられないものを見るような目で黒ウサギを見つめる。

「……侵略? 殺戮?」
「……ギフトじゃなくて?」
「ええ。ギフトゲームの景品や、ギフトそのものにヤツらは見向きもしませんでした。いえ、正確に申しあげれば、『ゲームをすべて無視して、力ずくで奪い去っていった』のです。ただヤツらはこの世界にある広大な領土、そして奴隷≠ニして扱える人材、ギフトを攫うためだけに、異世界からやってきたのです……邪魔者はすべて、排除するという意向で」

 衝撃的な事実に、飛鳥も耀も絶句するしかない。
 この世界へとやってきた四人は皆、普通の人間にはあり得ないような特殊な力が備わっているが、それすら霞んでしまいかねないようなものがここにはありふれている。
 幻想世界でしか会えないような幻獣、神々。さまざまな姿形をした生き物たちから、魔法や妖術による現象、呪いといった類のものがかけられた物質。
 現実世界の誰もが夢見るようなファンタジーを敷き詰めたこの楽園ともいえる場所を、ヤツらはただの『領土』と『奴隷』、『物資』があふれる場所としか見做さなかったのだ。
 そして。異世界からやってきたよそ者であるにも関わらず、ヤツらは何のためらいもなく人々を殺し回ったのだという。
 もはやそれは異常としか……もう言えなかった。

「そしてそれ以上に卑劣なのは……ヤツらがこの箱庭の住人をたぶらかし、罪深き闇の領地へと引きずり込んだことです」
「引きずり、こんだ?」
「白夜叉様もおっしゃっていましたが人は、魔を潜在的におそれます。その力に脅威を感じ、その存在に恐怖する、それが普通なのです……ですが……時として人はその魔に魅入られます」

 言葉にするのもつらい、というように黒ウサギは暗い口調で口を動かし続ける。

「無数にある小さな次元の穴から最下級の者達を送りつけ、遭遇した者達を甘言で惑わせていき……そうしてヤツらのもつ強大な力に、一部の力を持たぬコミュニティ達は魅了させ、堕落させていったのです」

 その声は魔の眷属への憤怒、憎悪、嫌悪……そしてそれから起こったであろう悲劇への悲しみで溢れ、震えていた。

「ある日、彼らは他のコミュニティとギフトゲームを持ちかけました。互いのコミュニティを賭けた総力戦ですが、誰がどう見ても勝ち目のないあまりに無謀な戦いです。しかし相手側は追いつめられて自棄になっているのだろうと深く考えず……これを承諾してしまったのです」
「……それが、地獄の始まりだったのね」

 はい、と飛鳥の声に相槌を打つ黒ウサギ。
 続けて彼女は口を動かしていく。

「そこから始まったゲームはまさに一方的な虐殺。押し寄せる大量の魔の眷属は強大で、どこのコミュニティも対抗などできず……彼らの
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