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問題児と最強のデビルハンターが異世界からやってくるそうですよ?
Mission5・A ~大切なもの~
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んでしょうか、あの人は」
「……さぁ」

 よくよく考えてみれば謎だらけなダンテに、風呂場にいた皆が首をかしげた。

「魔の眷属と、人間の子供、かぁ……」
「魔の眷属と日常的に戦ってるのでしょうか?」
「かもしれないわね。出てきた最下級のヤツらの名前まで知ってるみたいだったし」
「ダンテ、『魔の眷属』を悪魔だって言ってた」
「白夜叉様も言われていましたが、ヤツらは自身のことを悪魔と呼んでいるそうです。それにしたって笑えませんよ、箱庭の世界にいる悪魔と呼ばれる者達だってギフトゲームのルールを順守するというのに、彼らはそれをいとも容易く破ってしまうのですから……あちらの方がよっぽど悪魔です」

 黒ウサギが苦々しい表情を浮かべながら説明をする。
 ありとあらゆる修羅神仏、そして人間がいるこの場所であっても、皆ギフトゲームを行えばルールに則ったことしかしない。
 彼らはそれが守らなければならない法則であり、軽視してはならない絶対の法であると理解し、尊重してくれている何よりの証なのである。
 なのに、部外者であるヤツらはそれを真正面からぶち壊すのだ。
 それだけならばまだしも、魔の眷属はゲームに割り込んでくるうえで、そこにいるすべての者の命を狩りとろうとする。
 そのせいでどれだけの者達が死んでいったか。そしてどれだけの者達が屈辱を受けたまま生涯の幕を閉じたのか。
この世界の住人である彼女にとって、そして創造神の眷属である彼女にとって、それは想像に難くなかった。

「ねえ黒ウサギ。ふと気になったんだけど、いったいヤツらはどんな生き物なの?」

 耀が黒ウサギへと質問を投げかける。
 彼女からしてみれば、魔の眷属というものはサウザンド・アイズ℃x店で見たグリフォンと同じような幻想の生き物なのである。
 そういった者達と友達になるためにこの世界へとやってきた耀にとってそれはとても知りたいことなのだ。
 凶暴であるということは説明されたが、魔剣士スパーダ≠フような特別な存在がいないとも限らない。
もし友達になれるようなものがいるのならば……と思って耀は発言したのである。
 質問を受けた黒ウサギはやや困ったような顔色を浮かべるも、彼女の問いに答えた。

「実は数千年前から存在を確認してはいたのですが、わかっていないことの方が多いのです……彼らのいる世界である魔界について少しと、好戦的な者が多いこと、といったところでしょうか?」
「魔界とはまた壮大な響きね」
「はい。またそこも広大な世界で様々な環境が存在するのですが、具体的にあげますと……そこにいるだけでその身が焼ける灼熱の大地、登ろうとした者すべてを凍てつかせる氷の山、侵入してきた者を迷いこませ死へと導く深き森、穢れた水で満たされた海……と、過酷な環境が広がる
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