暁 〜小説投稿サイト〜
問題児と最強のデビルハンターが異世界からやってくるそうですよ?
Mission5・@ ~大切なもの~
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れ込み、そのうちのほんのわずかな金だけがダンテに入るというなんとも厳しいシステムであり、ダンテもこれを最初に受けたときは苦笑しながら「おまえ借金取りに転職すればいいんじゃねぇか?」なんてことを言ってきた。返事は「あんた専属ってことになりそうだけどね」である。
 つくづく彼には女運というものがないらしい。

 ――閑話休題。

「まぁ、また今度来ればいいかな」

 まぁ、普段は暇だ暇だと愚痴りながらピザとストロベリーサンデーを貪る彼でも、一件くらいは仕事がくることもあるだろう。
 たまたまこうして時期がかぶってしまったのかもしれない。
 そう考えた彼女は踵を返して店から退出しようとした。
 しかし。

「……あれ?」

 そこでふと、彼女は違和感を感じて足を止める。
 振り返って、彼女は店内を見渡した。
 あちこちに視線を移してみたが、レディが探すものは見つからない。
 店の奥にしまっているのかとも思って進み、いろんなところに探りを入れてみたが、やはりなかった。
 訝しげに眉をひそめ、レディは疑問の声を漏らす。

「――なんで魔具が全部ないの?」

 そう。ダンテがこれまで手にしていた魔具がどこにもなかったのだ。
 リベリオン。
 ケルベロス。
 アグニ&ルドラ。
 ネヴァン。
 ベオウルフ。
 アルテミス。
 そして――魔剣・フォースエッジ。

 テメンニグルの一件で手に入れた魔具がすべて、どこかへと消えていたのである。
 もちろんダンテが悪魔退治のために持って行ったという可能性もある。しかし、それでもせいぜい持って行って二つのはずだ。
 一つだけでも雑魚相手ならば事足りるというのに、どれもこれもが強大な魔力を秘めた魔具……それら全てがごっそりと消え失せていたのである。

 いったい、どこへ?
 いったい、なぜ?

 多くの疑問符がレディの頭の中で浮上するが、答えは一向に見つからない。
 というかそもそも、ダンテは本当に依頼を受けて出張しているのか?
 それならば何かしらのメッセージを残していくのがセオリーだというのに、そんなものは店の扉の前にもどこにもなかった。
 そんなものを残すほどの時間もなかったのか? いや、そんな大事件が起こったのならこちらも情報網から知ることができるはず。

(なんなのよ、これ……)

 謎は深まるばかり。いよいよ怪しくなってきた。
 突如として消えたダンテ。
 それとともに姿を消したすべての魔具。
 首をかしげるレディはふとダンテの使っている机の上に目をやって、妙なものを見つけた。

「……? なにこれ」

 それは、乱暴に破り捨てられた封筒と、その中に入っていたと思しき一枚の手紙。
 レディはそれを手に取ると、広げて文面を
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