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問題児と最強のデビルハンターが異世界からやってくるそうですよ?
Mission4・A ~白い夜叉からの試練~
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者が存在する。
 想像なんて、できるはずもない。
 どれほどまでに強大なのかも。どれほどまでに凶暴なのかも。

「……最下級とはいえ、そういう奴らを一方的に攻め続けられるダンテはなんだっていうんだ? クソッ、なんだよそれ……」

 十六夜は、思わず震えてしまう。
 胸の奥底が、激しく揺さぶられる。
 ぶるりと身体の芯から大きく振動した十六夜は、まだ手足の細かな震えが収まらなかった。
 心臓が早鐘を打ち、汗が額から流れてくる。
 十六夜は、恐怖した。
 箱庭の世界すら震撼させた存在に。
それを踊るようにして皆殺しにしていくダンテに。

 そしてそれ以上に。

「すっっっっっっげぇ、楽しそうじゃねぇか……!!」

 未だかつてないほどに、歓喜した。
 戦いたい。
 自分も、その『魔の眷属』と戦いたい。
 思いっきり、何の遠慮もなく。どちらが強いか競いたい。
 いや、そいつら以上に。
 ダンテと、戦いたい。
 十六夜の心が、一気に歓喜と焦燥に支配されていった。

「呆れた……ダンテも自惚れが強いけれど、あなたも大概ね。そんな野蛮な奴らと戦いたいと思うだなんて」
「ああ。自分でもそうは思うさ。でも堪え切れねぇよ、早く会いたいもんだな……特に、当時の箱庭を救った最上級の『魔の眷属』≠ニ、な」

 え? とその場にいた全員が振り返って十六夜を見た。
 黒ウサギは驚愕で目を見開いている。

「『魔の眷属』の中には、奴らを裏切ってこちらを助けた存在――おそらく最上級のヤツがいる……そうだろ、黒ウサギ?」
「い、十六夜さん……どうして、そのことを?」
「簡単な推理だ。お前のさっきの言葉、どうにも『ダンテが魔の眷属の者』みたいに言ってるような節があったんでね。それに白夜叉は言っていた。『確かめる必要があるから、ダンテを試す』ってな。つまり『魔の眷属』と呼ばれる奴らの中にもこちらに味方をするヤツはいた、だからどちら側の存在かダンテを見極める必要があったわけだ。加えて最上級ともなれば、創造主にすら匹敵する力を持つ……こんなヤツらから箱庭の世界を救うなら、同じく最上級のヤツが味方してくれるしかすべはない……そして、力が全てと謳われる世界から味方として名乗り出てくれるのは、その連中のみ……どうだ、百点満点だろ?」

 十六夜の推理は、完全に筋が通っていた。
 つくづくこの少年には驚かされてばかりだ。その能力にしても、その知略にしても。
 黒ウサギは苦笑を浮かべながら、十六夜の問いかけに対して首を縦に振って答える。

「Yes、彼らの中にも、私たち箱庭の世界に味方してくれる存在はいました。彼は、たった一振りで千の『魔の眷属』を吹き飛ばすほどの力を持ち……ありとあらゆる魔具、魔剣を使って、箱庭の世界を救ったと
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