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問題児と最強のデビルハンターが異世界からやってくるそうですよ?
Mission4・A ~白い夜叉からの試練~
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ンテに恐怖心を抱き始めた。
 狂っている。
 あまりにも、強すぎる。
 あまりにも、強靭過ぎる。
 力の差が、お互いにはありすぎた。
 だが、真に恐ろしいのはそんなことではなかった。

「What’s up!? C’mon get me!!(どうした!? 来い、捕まえてみろよ!)」

 この男は、楽しそうに自分たちを殺していた。
 皮すれすれのところを大鎌で斬り裂かれかけたときも。
 拳銃のトリガーを引くときも。
 凶弾で、悪魔たちを撃ち抜いた時も。
 大剣で、その肉を鎌ごと斬り飛ばした時も。
 この男は、狂ったように笑っていた。

「オ、オォォ……!」

 このときから。すでに。
 悪魔たちは、ダンテに……自分たちにやってきた、死の恐怖に怯えはじめることとなった。




*************




「……なに、あれ……」

 飛鳥が思わず、そんな言葉をつぶやいた。
 飛鳥のみならず、十六夜、黒ウサギ、そして感情表現に乏しい耀までもが口を広げてポカンとしていた。
 皆一様にダンテの戦いを目撃して、驚きを隠せずにいる。
 戦っているというよりは、それはまるで舞踏のようだった。
 大袈裟で無駄に見えるすべての動きは、実は細部に至るまで無駄がなく、実に効率がいいものばかりだ。
 芸術と呼んでもいいのかもしれない。洗練され、鍛え抜かれたものであることが、この結果からも如実に現れていた(……スケボーに関しては、ノーコメントとさせてもらうが)。
 それほどまでにダンテの戦いぶりは美しく、ここにいる者の心を魅了したのである。

「あれが……ダンテの、力……」
「……すごい……」

 飛鳥と耀が、ダンテの舞踏……いや、武闘を見てそう感想を漏らした。
 飛鳥は自分の命令をねじまげたところからその実力の程を伺っていたが、どうやら想像以上だったらしい。
他に、表現する言葉がなかったのである。
豪快、華麗、繊細。
使うとしたらこれらであろうが、こんな言葉では言い表すことなど到底できないほどのものなのだ。
すべてが際立ち、すべてが融合し。
ここにいる誰にも到達できない、その領域に、ダンテはいた。
たった一言。そう、あえて一言でいうのならば、それはまさしく、

「……Stylish(かっけぇ)」

 十六夜の、この言葉に尽きるだろう。


「まさか……ダンテさん、『魔の眷属』を相手に、あんな一方的に……もしかして、本当に……?」

 と、そのとき。黒ウサギが、何かを知っているかのような口ぶりで言葉をつぶやいた。
 その言葉に反応して、十六夜が黒ウサギに問いただす。

「おい黒ウサギ。なんだ、『魔の眷属』って?」

 十六夜の疑問に、飛鳥と耀も黒ウサギに
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