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問題児と最強のデビルハンターが異世界からやってくるそうですよ?
Mission3・@ ~Community of No Name~
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「おや、俺にはエスコートさせてもらえないのかな?」

 これまた冗談であろう一言を投じるダンテだったが、すぐにその答えは耀から返ってきた。

「あなたは品がなさすぎ。信用できない」
「こいつは痛いところを突かれちまった。今度からお上品なふるまい方でも勉強しとくかな」
「そうね。あとは態度を改めること。私たちからの宿題よ」
「確認試験ってことでデートをしてくださるのなら考えてみるよ」
「なら採点は厳しくいくわよ? あとジン君にも付き添わせてもらうわ」
「え、ええ!? 僕もですか!?」

 まさか自分にも話を吹っ掛けられるとは思ってもいなかったのだろう。
 予想外のことにあたふたと慌てるジンを見て、三人はプッと吹き出して笑う。

「冗談よ、からかってごめんなさいねジン君――さ、それじゃあ箱庭に入りましょう。まずはそうね。軽い食事でもしながら話を聞かせてくれると嬉しいわ」

 飛鳥は狼狽するジンの手を取ると、胸を躍らせるような笑顔で箱庭の外門をくぐろうと歩き出す。

********************

 飛鳥、耀、ダンテ、ジンの四人は、外門から石造りの道を通って天幕の中へと入っていった。
 するどういうことだろう。道を通り抜けると上から眩いばかりの光が照らしだされ、全員の目が白く覆われる。
 
「……へぇ。外から天幕の中に入ってきたってのに、空にはお天道様か」

 ダンテは興味深そうに空を眺めていた。
 外から見れば確かにこの場所は天幕によって覆われていたはずだというのに、上は変わらず青い空と白い雲、そして太陽が輝いている。

「……本当だ。外から見たときは箱庭の内側なんて見えなかったのに」
「箱庭を覆う天幕は内側に入ると不可視になるんですよ。そもそもあの巨大な天幕は大洋の光を直接受けられない種族のために設置されていますから」

 飛鳥は空を眺めながらジンの解説を聞いていると、ピクリと片眉をつりあげて皮肉そうに言う。

「それはなんとも気になる話ね。この世界には吸血鬼でも住んでいるのかしら?」
「え、いますけど」

 飛鳥からの質問に、ジンはなんでもないように応える。
 その返答に複雑な気分になったのか、飛鳥は「……そう」と一言だけ呟くとそのまま沈黙する。
 吸血鬼などという種族とともに人間が住めるとは思っていなかったのだろう。といってもジン以外は吸血鬼については伝承以外に何も詳しいことは知らないのだが。

 一方、ジンの回答を聞いたダンテはというと、

「ほう? そりゃあまたなんとも面白そうだな。美女の吸血鬼でもいるっていうなら是非とも血を吸われてみたいもんだ」

 そんなことを愉快そうに言ってのけた。彼も吸血鬼がこんな場所にいるとは思ってもいなかったようだが、
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