暁 〜小説投稿サイト〜
問題児と最強のデビルハンターが異世界からやってくるそうですよ?
Mission2 ~新世界~
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。我々の世界でも強盗や
窃盗は禁止ですし、金品による物々交換も存在します。ギフトを用いた犯罪などもってのほか! そんな不逞な輩は悉く処罰します――が、しかし! 『ギフトゲーム』の本質は全くの逆! 一方の勝者だけが全てを手にするシステムです。店頭に置かれている商品も、店側が提示したゲームをクリアすればタダで手にすることも可能だということですね」

 タダ、という言葉にダンテは心ひそかに喰い付いた。
 彼は何でも屋の事務所、デビルメイクライを開いてはいるのだが、経営は赤字続きで金にとても困っているのだ。
 まぁ原因は、ダンテが仕事を選り好みするところただ一つに尽きるのだが。どれだけ大金を積まれようが、ダンテは依頼主や仕事の内容が気に入らなければ絶対に受け入れないし、逆にどれだけ収入が入らなくとも面白そうであれば喜んで受ける。ハッキリ言って気まぐれなのだ。
 そのため多くの費用もツケでなんとかしているし、最近ではそれを拒否され始めていた。
 だが、この世界ではゲームさえクリアすればなんでも手に入るという。
 まさに夢のようなシステムである。こっちに本拠を移してもいいかもしれないと、一瞬だけダンテは考えた。

「そう、中々野蛮ね」
「ごもっとも。しかし主催者″は全て自己責任でゲームを開催しております。つまり奪われるのが嫌な腰抜けは初めからゲームに参加しなければいいだけの話でございます」

 黒ウサギは一通りの説明を終えたのか、一枚の封書を取り出した。

「さて。皆さんの召喚を依頼した黒ウサギには、箱庭の世界における全ての質問に答える義務がございます。が、それらすべてを語るには少々お時間がかかるでしょう。新たな同士候補である皆さんをいつまでも野外に出して奥のは忍びない。ここから先は我らのコミュニティでお話させていただきたいのですが……よろしいです?」

 全員に問いかける黒ウサギ。
 飛鳥と耀は特に何もないらしく、それで構わないというように首を縦に振った。
 だが、ダンテと十六夜は違った。

「「まてよ。まだ俺が質問してないだろ」」

 同時に。全く同じ言葉で、二人は黒ウサギを呼び止めた。
 その場にいる全員が二人に注目し、そしてダンテと十六夜も互いを見てクックと笑う。
 まるでそれは、仲の良いイタズラ好きな兄弟を彷彿とさせる光景だった。

「なんだ、お前も聞きたいことがあったのかよダンテ」
「奇遇だな。おまえもかイザヨイ。いいぜ、おまえが全部しゃべりな、どうせ同じこと聞くんだからよ」

 と言って、ダンテは手を差し出して「どうぞ」と質問するのを十六夜に任せた。
 任された十六夜はよしきたとばかりに頷き、続いて黒ウサギへと視線を移した。
 ずっと二人に刻まれていたはずの敬白な笑顔がなくなっていることに気
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