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問題児と最強のデビルハンターが異世界からやってくるそうですよ?
OP ~オープニング~
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封筒を手に取って、乱雑に開け始めた。
 少しばかりの期待で胸を躍らせながら読み始めたその手紙には、こう書かれていた。

『悩み多し異才を持つ少年少女に告げる。
 その才能《ギフト》を試すことを望むのならば、
 己の家族を、友人を、財産を、世界の全てを捨て、
 我らの箱庭に来られたし』

「……?」

 書かれていた内容はそれだけだった。
 差出人の名前も何もありはしない。ただ、箱庭などというところに来いという指示だけがそこには書かれていた。
 いったいどういうことなのか、文面に書かれた内容に首をひねるダンテだったが、すぐにそれは解消されることとなった。
 少々、乱暴な手段を取られることによって。

 次の瞬間、彼の視界は事務所の中から一転して、上空4000mの広大な青空へと変わる。

「……あ?」
「わっ」
「きゃっ!」
「ど……どこだここ!?」

 もちろんそこに足場などあるはずもなく、ダンテは重力に引っ張られるままに地面へと落下していくこととなる。
 ダンテの他にも数人ほど同じく空から落ちている人がいるらしく、それぞれが悲鳴、もしくは誰にともなく問いかける疑問の声をあげた。
 そしてそこは……事務所はおろか、ダンテの知る場所とは完全な別世界であった。
 視線の彼方には、世界の果てを彷彿とさせる断崖絶壁。
 下には巨大な天幕に覆われた、未知の都市。

「おいおいおいおい……マジかこりゃ!」

 ダンテは今度こそ、堪え切れなくなって笑い出す。
 暇つぶしだなんてとんでもない。こいつは本気で面白いことになってきた。
 きっとこれから、想像を絶するような楽しいことが待ち受けているに違いない。
 確信に近いそんな予感を感じて、ダンテは声高に叫んだ。

「It looks like this is going to be one hell of a party!!(楽しいパーティになりそうだな!!)」

 子供のように無邪気な、それでいて凶暴な笑みを浮かべてダンテは新世界へと乗り出した。
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