第四十九話「過去編・最後の任務」
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は両手の指をパキパキと鳴らし、身構えた。
「…………………ありがとうございます」
フィリップが負傷し、ヴェールマンの手を借りて移動するまでの間、周りの突然変異種は
ヴェールマン隊の兵士達が足止めしていた。
「なんとかフィリップは生きてるようだな」
「残る問題はこいつらだけか………」
ヴェールマン隊は冷静に突然変異種に対抗し、負傷した仲間を死守する。
メキッ ギギギギギギ…………どこからか、金属が軋むような音が鳴り響く。
その音が鳴った方へ視線を移すと………
「おぉぉぉぉぉぉぉぉ…………」
ブランクが周囲にあった装甲車両を一台持ち上げていた。そして……
「ぅおぉぉぉぉぉぉらあぁぁぁぁぁぁ!!!」
突然変異種目掛けてぶん投げた。
巨大な砲弾と化した装甲車両は、まっすぐ突然変異種に飛んでいった。
「伏せろ!!」
ヴェールマン隊の兵士が叫ぶと、その場の全員が一斉に防御体勢に入る。
ドガシャァァァン!!!
フロントガラスが全て割れ、ドアやボンネットが折れ曲がる。
大破した車体の下には、潰れた突然変異種の腕や頭が見えていた。
エンジンから黒煙が出始めた。
「炎上するのも時間の問題だな……司令、急ぎましょう」
「…………………」
「司令?」
ヴェールマンは何かを考え込んでいた。少し経って答えが出たようだ。
「………私の隊とブランク隊は、私とブランクを置いて地上に出ろ」
「どういうことですか?」
「お前達は日本支部の職員とフィリップを連れて地上の部隊と合流しろ。30分経過して私とブランクが
戻らない場合は、ここを完全に封鎖するんだ。そして、即刻本部に戻れ。いいな?」
「………納得が出来ません。司令はブランクと何をするつもりなんですか?」
ヴェールマンは自分の考えを兵士に説明した。
「地下のフロアを封鎖し、化け物共を閉じ込めておくんだ。ブランクが投げた装甲車両が炎上すれば、
確実にコープスウイルスは活性化する。お前達を巻き込むわけにはいかない。」
「我々もそれは同じです! 司令とブランクが残らなくてはならない理由にはなりません!」
「全員で逃げれば、地下フロアを封鎖する人間がいなくなる。ここからレッドゾーンが拡大する可能性
があるんだ。誰かがこのフロアを封鎖し、それを防がなければならない。分かるな?」
「っ! しかし!」
「………………分かりました」
「おい!?」
まだ納得が出来ない兵士はいたが、結局ヴェールマンの命令に従うことになった。
「………すまないな。ブランク、準備はいいな?」
「いつでも」
ブラン
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