第六十一話
[6/7]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
しくて……だから、リーファちゃんに伝言を頼みたいんです」
パーティーメンバーが……ひいては、パーティーリーダーがスパイの可能性があるから、レコンは証拠か自分の勘違いかレプラコーン領に残るということ。事を大事にしたくないので、メッセージは使わないということ。……ずっと連絡が無かったら、連絡不能にさせられていると思うので、シルフの領主館に連絡をして欲しい、ということ。
それが、レコンが俺たちに頼んだリーファへの伝言だった。
「メッセージで連絡したら、リーファちゃん、多分怒ってこっちに飛んで来ちゃうので……よろしくお願いします」
「ねぇ、ちょっと。あんた……レコン、だったわよね」
直情的なリーファのことを苦笑いしながら語るレコンに対し、俺より先にリズが沈黙を破る。話の途中では、一人だけレプラコーンかつ初対面ということもあり、沈黙を保っていたが……彼女ならば、言うことは決まっている。
「そのスパイがどうか調べるのって……あたしたちも手伝えない?」
「ええっ!?」
リズの突然の申し込みに、レコンは目を見開くように驚いた。まさか初対面のレプラコーンに、そんなことを言われるとは思っていなかったのだろう。
「相変わらず、リズはお人好しでお節介焼きだな」
「ふふん。あんたもでしょ、ショウキ」
照れくさくてちょっと皮肉混じりの口調で話しかけたものの、リズには簡単に真意を看破されてしまう。そんな現実にため息をつきながら、俺もレコンに対して申し出た。
「リズに先は越されたけど……レコン。俺だって魔法やこの世界には詳しくないが、知っての通り戦闘は出来る。護衛ぐらいにはなるはずだ」
護衛とはまた、あのデスゲームを感じさせる懐かしい単語だ。……しかしこれでは、リズに言われたから俺も言ったように感じられて、少し不満足である。
「ありがたいですけど……お二人には関係な――」
「俺もシルフだからな。関係ないことはない」
レコンの言葉に先んじて、コートの緑色の部分を指す示す。すぐ世界樹に向けて出発するので、シルフ領が関係ないと言えば関係ないのだが、シルフ領に何かあれば、リーファの案内も無くなってしまうだろうし。
……最初から手伝う気なのに、こうして理由を捻り出すのは悪い癖か。
「それに、これであなたに何かあったら、そのリーファって子にも申し訳が立たないし……ね」
「でも、その……リズベットちゃんは戦えるの?」
その、ある意味予想していなかったレコンの一言に俺は吹き出し、リズは口をあんぐりとした顔で固定させた。……驚いて言葉が出ないということだろうか。
「ちゃ、ちゃん!?」
まさか高校生にもなって、ちゃん付けされて呼ばれるとは思っていなかったよ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ