第六十一話
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好的に挨拶を返す。
「そろそろスイルベーン行きの船が出る時間だろ、レコン。どうしたんだ?」
前にいたゲームってどんな名前ですか、などと尋ねられる前に質問をする。せっかくリズもごまかしてくれたのだし、流石にあのデスゲームにいた、などとは言えまい……
「ええっと……その、ショウキさんは、スイルベーンに戻る予定ですか?」
レコンは言いにくそうにして俺の質問をはぐらかし、俺に新たな質問を返す。レコンとの付き合いは短いどころか一日にも満たないが、そのレコンらしくない態度に違和感を覚えながらも、俺はこれからの予定を話し始める。
リズと船に乗ってスイルベーンへと行き、向こうにいるキリトという仲間と合流する。そして、リーファの案内で世界樹に向かう――ところまで行くと、レコンは反応する。当然だろう、自分のパーティーメンバーが知らぬ間に世界樹へと行くことになっているのだから。
しかしそんな俺の予想に反し、レコンが言うことは違うことだった。
「……リーファちゃんに会うなら、伝えて欲しいことがあるんです。僕は――」
「待て、落ち着けよ……一旦こっちに説明してくれ」
何故かは分からないが慌てているレコンの肩をつかみ、落ち着くように促す。レコンもそう言われて、自分がいかに慌てていたか分かったようで、ばつの悪そうな顔をして落ち着いた。
「す、すいません。実はシクルド――今のパーティーのリーダーなんですけど、そのシクルドの部下をさっき、このレプラコーン領で見て……」
そのままレコンの話を聞くと、先日俺がレプラコーン領に来る原因となった――そして、キリトがリーファと出会った――サラマンダー部隊との戦いで、俺に出会う前にシクルドというリーダーに出会い、そのまま散り散りになって別れていたらしい。だが、その時に別れていたシクルドの部下であるパーティーメンバーを、先程このレプラコーン領で見たのだと言う。これだけならば、気づかずに一緒の船に逃げていて、そいつもこのレプラコーン領に来たというだけで済んだのだが……
「そいつが、昨日戦ったサラマンダー部隊と一緒にいて……」
サラマンダーとシルフは共に世界樹攻略に肉薄しており、ライバル関係にあってとても仲が悪い……といった話は、始めてから二日の俺ですら聞いたことのある話だ。故にスイルベーンのガーディアンは厳しく、サラマンダーもシルフとケットシーを狩る部隊がいるのだという。
そんな相手とスイルベーンとは真逆のレプラコーン領で、しかも先日戦った相手となると……レコンは、スパイなのかと疑ったのだという。俺やリズからすれば、スパイなど大げさな話だったが……思い返してみれば、あのデスゲームでもそう言った事件はあった。
「思い返してみれば、シグルドの様子も昨夜はおか
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