第三話
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しく、二人が路地の向こうへと駆けだそうとして……アルゴが派手にすっ転んだのだ。纏ったコートがふわりと大きく広がり、ブーツが、太腿が、そしてその上が。いや、その上は丈の短いズボン……キュロットスカート、というのか……だった。……だった、のだが。
「……うおぉ……」
そのシーンは、今の俺には刺激が強すぎた。あの一場面は、いやがおうにも俺には先日の……隣の彼女のとあるアクションを思い至らせてしまう。知らずに感嘆の声を漏らして、さらにはごくりと喉がなってしまうのが感じられた。
そして、一瞬おくれて。
「……キリト君。……それ、なに?」
「……え?」
アスナの、絶対零度もかくやという冷めた視線が俺へと突き刺さった。
「……え? ……えぇ?」
すっ転んだアルゴ。
影からそれを見つめる、俺。
そしてその手にある、撮影用の、『映像結晶』。
それらの符号の意味するものは。
「ちちち違うんだこれは!? さっきのメッセでちょっと確認することがあって!!!」
本当に違うんだ。いや、目的的には違わないけど、これは違う。
アスナの視線に心のHPが全損されかけながら、必死に弁解する。
幸いなことに、俺の悲痛の叫びはアルゴ達には聞こえなかったらしかった。
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