第四十八話 新たな目的
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
セアはベルガの鎧を外して、体を調べた。
「げっ・・・」
ベルガの体の右胸辺りを中心にミイラ化してしまっている。
それにあちこちに石の破片が右胸から円を描くように体に食い込んでいる。
おそらく人造破魔石を右胸あたりに埋め込んでいたのだろう。
「体に人造破魔石を埋め込んでたみたいだ」
セアはそう言うと倒れているアナスタシスの方を見る。
「大僧正は?」
バルフレアに問いかけると首を横に振った。
どうやら既に事切れていたようだ。
「ねぇ、ラーサー様は?」
アナスタシスの遺体を置き、パンネロが尋ねた。
が、その答えはここにいる七人以外の人物から返ってきた。
「ジャッジ・ガブラスが連れ帰った」
カナートの肩を借り、アルシドが光明の間に入ってきた。
「アルシド!?」
「奴も来ていたのか」
アルシドは腰を下ろすとここまでの状況を話し始めた。
「ラーサーは争いごとを避けようとおとなしく従ったんですが――ジャッジ・ベルガが暴発してね。取り巻きのジャッジどもの相手をするのが精一杯だった」
強さで言えばベルガが率いていたジャッジ達とアルシドが率いてきた部下達は大した差はなかった。
だが、ベルガ達が約80人に対しアルシド達は15人。
数の差に押し負けてしまったのである。
「で、姫――あなたをロザリアに亡命させたいんですが」
「守ってやるとでも?」
「お望みとあらば命に代えても。もっとも、あなたの方がお強いでしょうが」
アルシドはベルガにまったく歯が立たなかったのでそう言った。
実際にはベルガは倒したのはほぼセアの功績なのでアーシェよりアルシドが弱いということはないだろうが。
というかそれはアルシドもわかっているはずだが・・・
「ヴェインを恐れるあまりうちの軍部じゃ、先制攻撃論が主流で。将軍連中が勝手に戦争を始めないように姫を利用して裏工作をしかけます。それにクライスさんも手伝ってくれればありがたいのですが――」
「やだ」
「そうですか・・・姫はどうです?」
「お断りします。私はこちらで仕事があるので」
そう言うとアーシェは立ち上がり宣言する。
「【覇王の剣】で【黄昏の破片】を潰します」
それは聞いたアルシドは少し納得したような顔をした直後、少し気まずそうに言う。
「石の在処はわかってませんが?」
それはアルシドの諜報網を持ってしても探りだせなかった。
それも仕方ない事だとアルシドは思っている。
何故なら破魔石を何処で管理しているかなどアルケイディア帝国の機密事項だろう。
それの在処を知っている人物もヴェインが信頼している人物しか知らないだろう。
「見当はつく」
が、あっけなく破魔石が在りそうな場所を知っている
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ