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不老不死の暴君
第四十七話 冷たき者
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「どうなってんだこりゃ?」

バルフレアは目の前の光景を見て、そう呟く。
何故かセアの体からミストが出ており、ベルガと互角にやりあっている。
意味不明な光景だ。

「おい、ヴァン。セアがああなのは知ってたのか?」
「ぜんぜん」

ヴァンも頭に?マークが何個も出ているような顔をしているので本当に知らないのだろう。
嘘という可能性もあるにはあるが、ヴァンがそんな芸当ができるとはバルフレアには思えなかった。
セアの周りのミストがおかしいということは出会ったときからフランが言っていた。
ということは・・・

「あいつもベルガと同じなのか?」
「いえ、違うみたいね」

いつの間にかバルフレアの隣に来ていたフランがそう答える。

「どういうことだ?」
「彼のまわりのミストが凍えているって前に言ったわよね」
「ああ、ルース魔石鉱の時にな」
「そんなのオレは聞いてないぞ!?」
「ヴァンは少し黙ってろ」
「・・・」
「で、どう違うんだ?」
「彼の周りのミストが凍えていたんじゃなかった。彼がミストを凍えさせていたんだわ」
「どういう意味だ?」
「要するに彼の体は冷たすぎるミストが固まってしまったようなもの」
「・・・ってことはあいつの体はミストはできてるって言うのか?」
「そういうこと。現にミストが僅かに熱くなって彼の輪郭がぼやけてしまっている」

フランにそう言われて改めてセアを見ると確かに輪郭がぼやけているように見える。
それにベルガのようにミストが溢れ出ているというよりは体が溶けて出ているように見えた。

「ってことはセアはミストの嵐に巻き込まれたときにそうなったんじゃないか」
「あいつが嘘をついてないならな」

ヴァンの言葉にバルフレアはそう返した。



ベルガはセアとの戦いで徐々に劣勢になりつつあった。
なにせセアは間接を無視した攻撃を繰り出し、こちらが攻撃しても動揺すら見せずに攻撃してくるのだ。
ベルガも人造破魔石の力で傷を治すことはできるが痛いものは痛い。
このままではやばいと感じ、もっと力を欲し続ける。
が、それが仇となった。

「ガッ!!」

急に体に激痛が走り、思わずベルガは剣を離し、蹲る。
予想外の展開に思わずセアは呆然としたが、直ぐにベルガを警戒しながら距離をとる。
だが、ベルガ苦しそうに胸をかき始め、転げ周る。
やがてベルガの体から青白いミストが解き放たれたかと思うとベルガはそのまま倒れた。

「ベルガ様!!」
「ジャッジマスターが倒れた!引けー!!」
「クソッ!!」

アーシェ達を相手取っていたジャッジ達が外へ逃げていく。
そして奥にいたジャッジも数名外へ出て行った。
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