第四十五話 傲慢な人の力
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アナスタシスと謁見をした光明の間は悲惨な状態になっていた。
殆どの神像が破壊され、奥に残っている女神ファーラムの偶像も半壊している。
そしてこの前来た時にアナスタシスが瞑想をしていた場所で女神ファーラムの偶像を眺めるように佇んでいた。
甲冑を身に纏い、右手に血が滴る金色の剣が、そして背中にはジャッジの紋章が描かれたマントを羽織っている。
主に他国への武力行使などを担当する第2局のジャッジマスター・ベルガである。
アーシェ達が扉を開けると首だけ捻ってアーシェの方を見た。
「ほう、亡国の王女か。帝国への復讐を願って【覇王の剣】を求めたな?」
ベルガはアーシェの姿を認めるとアーシェの方に近づく。
するとベルガの影になって見えていなかったがアナスタシスが倒れている姿が見えた。
一同は驚きも声を漏らした。
「剣の在処を吐かんでな」
ベルガが何の気負いもなくそう言った。
「人間の力を信じず、神などに縋った者の末路よ」
ベルガがそう言い終わるとベルガの背後に影が踊った。
だがそれも一瞬ですぐに消えた。
「あいつは!?」
ヴァンはその影に見覚えがあった。
いや、ここにいる全員に見覚えがあった。
フランの妹のミュリンが人造破魔石に心を奪われていた時に見た影と同じだったのだ。
ベルガは軽く剣を振るうと体内から青白い霧のようなものが溢れ出てきた。
「人の体からミストだと!?」
「このミスト、ミュリンと同じよ!石の力にとりつかれてる!」
バルフレアとフランはそう言うとベルガは軽く笑った。
「笑わせるな。人造破魔石は人間の力だ! 神々に挑む大志を抱いた人間が――その知恵で生み出した人間の武器!」
ベルガはまるで自分の言葉によっているかのように続ける。
「与えられた破魔石に頼り切っていたレイスウォールなど――偽りの覇王にすぎんわ!!」
ベルガの言いようにアーシェは顔を歪ませる。
ベルガは女神ファーラムの偶像に向かって払った。
すると女神ファーラムの偶像は音をたてながら跡形もなく崩れた。
その音を聞き、神殿の奥にいた三十人前後のジャッジが光明の間に入ってくる。
「見ておれ! やがて全イヴァリースに真の覇王の御名がとどろく! 神々の意志を打ち破り、歴史を人間の手に取り戻す――」
「その名はヴェイン・ソリドール!」
「あのお方の築く歴史にダルマスカの名は不要! レイスウォールの血筋ともども――時代の闇に沈めてくれるわ!!」
ベルガは左手で腰に提げていた剣も抜き、凄まじい速さでアーシェの目の前に近づき、剣を振り上げた。
アーシェの隣にいたバッシュがベルガの剣を受けとめる。
(――ッ!)
だが、ベルガの剣に押し負け、バッシュは体勢を崩した。
ベ
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