第四十五話 傲慢な人の力
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ルガはそれを見るとバッシュを払いのけ、再びアーシェ目掛けて剣を振る。
だが、セアが突然横からアーシェを蹴飛ばして場所を移動させ、空振りしたベルガの肩口から剣を突きたて胴体を貫く。
ベルガは激痛をかみ殺すとセアに目掛けて剣を振るったがセアは数歩下がってその剣を避ける。
「・・・今のは致命傷だと思うんだがな」
「確かに今のは人造破魔石がなかったら致命傷だっただろうな」
ベルガはなんでもないようにそう言うとミストがベルガの体を纏い始めた。
セアは直感的にベルガから流れていた血が止まったのだと感じた。
「セア!」
「馬鹿弟子!お前は他の奴等と一緒に周りのジャッジをどうにかしろ!こいつは俺がやる」
「そういうことだ。サッサとしろヴァン」
ヴァンは何処か納得していなような表情でバルフレア達と一緒にジャッジ達に方に向かっていった。
「ほう、俺の相手はお前一人で勤まるのか?」
「・・・その言葉そのまま返す」
「ならば一切の遠慮は無用だな」
「避難民を虐殺してる時点で遠慮もなにもないだろうが」
「ははっ!確かに!!!」
ベルガはまるで獅子のような速さでセアに向かって剣を振り下ろす。
セアは咄嗟にその攻撃を受ける。
(なんて速さと重さだ・・・それに幾らジャッジの鎧が軽くて丈夫な金属で出来ているとはいえ、全身に甲冑を纏った奴が、いや、仮に生身だったとしても人間に可能な動きじゃねぇぞ)
セアは軽く冷や汗を流すとその攻撃を受け流し、ベルガの足を目掛けて剣を横に振る。
飛び上がってベルガは回避し、セアに目掛けて剣をたたきつける。
セアはその斬激を受け流すとベルガの首に目掛けて剣を突き出したが、ベルガの左手の剣でいなされた。
ベルガはいなす時に僅かに前に力をかけていたお陰でセアの背後に背中合わせで地面についた。
そしてセアもそれに気づき両者が互いに振り向き様に一閃。
ベルガの剣がセアの体を一等両断していた。
セアの上半身が無様に地面に横たわっているのをベルガは確認した。
「久しく見る強者つわものだ。ゼクトと競い合っていた頃を思い出したぞ・・・」
ベルガは少し名残惜しそうにそう言いセアを見るとアーシェ達の方に向かっていった。
・・・セアの上半身が黄色い霧になっていっていることに気づかずに。
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