第四十四話 神都炎上
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セア達がミリアム遺跡から出ると遺跡の管理をしている青年のキルティア教徒が話しかけてきた。
「あ、出てこられたんですね。出来れば一刻も早く神都に戻って欲しいのですが・・・」
「? 一体どうしたんです?」
「それは―――」
青年は事情を説明しようとすると辺りが影になって暗くなった。
そこでセア達は空中を見上げると第12艦隊の姿があった。
「オレ達がここにいるのがバレたのか?」
「いや、それなら前みたいにヴァルファーレを降下させているはずだ」
セアの言ったとおり、第12艦隊はミリアム遺跡に目もくれず、北西の方向に進んでいった。
ヴァンやパンネロがそれを見て安堵している。
「見て」
フランの方に振り向き、指差している方向をみた。
すると神都があった方角から黒い煙が上がっていた。
「あの艦隊は少し前にブルオミシェイスで停止していました。それを見てン・モゥ族の長老は神都の方に走っていってしまいました。私達も向かいたいのですがここをがら空きにするわけにはいかず・・・」
青年の言葉を聞くとセア達は神都に急いだ。
第12艦隊旗艦アレキサンダーに乗り込んでいた第7局のジャッジ達は不満をぶつけあっていた。
「何故ラーサー様をお迎えにあがるだけでこのような事態になったのだ!?」
「これも第2局の戦争馬鹿のせいだ!!」
「それもそうだが、あんな男にキルティア教会との交渉を任せるなど臨時独裁官閣下はなにをお考えか!?」
ジャッジマスター・グレイスは自分の部下に冷ややかな目線を向けていた。
だが、不満のひとつやふたつを言いたくなるのも致し方ないかとも思う。
自分達が先程神都でやってきたことはキルティア教会に喧嘩を売るに等しい行為だ。
ヴェインがキルティア教会の力を量り間違えているとは思わないが幾らなんでも強引に過ぎるような気がする。
帝都に戻ったら今回の密命についての意図をヴェインに説明してもらわねばなるまい。
そう思いながらグレイスはザルガバースの方に顔を向けた。
ガブラスは別室でラーサーの気を宥めているし、ベルガは神都に置いてきた為、このコントロールルームにいるジャッジマスターはザルガバースのみだ。
神都でベルガからヴェイン直々の命令書を見せられたときに顔を顰めていた。
やはり自分と同じく今回のことに少々不満―――というよりは不安があるのだろう。
アルケイディア帝国もキルティア教圏国なのだ。
今回の件はヴェインを快く思っていない者達にとっては謀反を起こす大義名分になる。
それに信仰心の高い者達もそれに加担するだろう。
そんなことをグレイスが考えていると
「いずれ償うことになろう」
ザルガバースが小さく呟いているのが聞こえた。
確かにいずれ俺たちは今回の事
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