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不老不死の暴君
第四十一話 背徳の皇帝
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そして砕けた氷が集まって氷の精霊のようなものが何個も形成された。
それは御伽噺の中でマティウスが使役した氷のアーゼという使い魔のようなものだった。
アーシェは自らの魔力を青い魔石に注いだ。
すると魔石からあふれ出たミストが魔人ベリアスの形を成し、氷のアーゼを燃え盛る炎で蒸発させた。
ベリアスはそのままマティウスに向かって突っ込み、武器を振り下ろす。
マティウスはそれを武器で受け流し、空中を泳ぐように後方に下がり、{ブリザジャ}の魔法をベリアスにめがけて放った。
それと同時にマティウスは武器をベリアスに向けて凄まじい速さで突っ込んだ。
ベリアスは正面から炎で飛んできた氷を蒸発させ、自分の周りに火柱を上げる。
火柱がマティウスに当たり拘束されている女神が悲鳴あげたが、マティウスは何の苦も無く火柱を受け止め、魔法で火柱を凍らせた。

「すげぇ・・・」

ヴァンが思わずそんな言葉をこぼした。
周りの皆も声には出さないがそんなことを思っていた。
ベリアスとマティウスの戦闘に気をとられているとベリアスの炎から逃れた氷のアーゼがアーシェに襲い掛かった。
すぐに反応したバッシュの遠隔攻撃で氷のアーゼの攻撃のそれた。
アーシェの近くに居たヴァンが氷のアーゼに斬りかかり、氷のアーゼが怯んだところをセアが真っ二つに両断した。
そして周りを警戒しながら異形者達の方に目を向けるとベリアスが徐々に劣勢になっていった。
バルフレアが銃でマティウスの左腕を狙撃するとマティウスは{ブリザド}をこちら目掛けて放った。
全員が一斉に回避し、セアがそのままマティウスに突っ込み、右腕目掛けて思いっきり剣を振り下ろした。
するとマティウスの右腕が宙を舞い、拘束された女神が奇声をあげた隙にベリアスに背中から貫かれたマティウスは左腕で武器を掴み、ベリアスの腹部を貫いて壁に叩きつけた。
ベリアスはミストを放ちながら消えていき、マティウスはセアに目掛けて武器を振り下ろした。
セアはベリアスが貫いた腹部の穴に剣を差込んで強引に引き裂くとマティウスはミストを放ちながら消えていき、青い魔石が残った。
セアがその魔石を拾うと

「これは【覇王の剣】を手にいれた後で大僧正に渡そうと思うけど別にいいか?」

セアの提案に全員が頷き、セアは魔石をポケットにいれた。
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