第四十・五話 ケルオン派遣軍
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せれば反乱組織へのいいハッタリになるからという意図はある。
しばらくすると乗り込んでいる部下から報告が入る。
「北東に艦影! 第12艦隊です!!」
グレイスは北東の空をみる。
第12艦隊の陣容は以下の通りである。
アレキサンダー級大型空母×1隻
シヴァ級軽巡洋艦×1隻
イフリート級巡洋戦艦×2隻
カトブレパス級駆逐艦×3隻
カーバンクル級軽巡洋艦×1隻
その他小型飛空挺多数と第2艦隊の陣容とは比べ物にならない。
まずシヴァは先の事故で壊滅した第8艦隊に所属していた最新の軽巡洋艦で、防御力はカーバンクル級より劣るものの高い機動性がある。
そして新型空母のアレキサンダーは高い防御力を誇り、小型戦闘機のCB58ヴァルファーレ戦闘機専用空母なのだ。
CB58ヴァルファーレ戦闘機などグレイス率いる第2艦隊にはまったくないというのに。
まぁこの辺では空中戦なんてめったいおきないし、対地攻撃力の高いイフリートの方が需要があるのだが。
そして何より上からの報告によれば第12艦隊は最近ドラクロア研究所が開発したというヤクト対応型飛空石完備だという。
ヤクトの多いケルオン大陸が主な活動地域のケルオン派遣軍にこそ必要だ。
そうすればヤクトで燻っている反乱分子を根絶やしにできるというのに。
いや、ロザリアとの開戦が近いこの状況ではヤクト・エンサを飛び越えて直接ロザリアに攻め込めることの方が重要か。
そんなことを考えていると機械を弄っている部下から報告が入る。
「アレキサンダーより入電!」
「繋げ」
「はっ!」
『西方総軍所属第12艦隊、旗艦アレキサンダー。艦長のザルガバースだ。貴艦隊の指揮官に応答願う』
『ケルオン派遣軍所属第2艦隊、旗艦ネメシス。艦長のグレイスだ。ピクシウス総督閣下直々に貴艦隊を歓迎したいとのお考えである。出来れば新都イスタナまでご同行願いたい』
『総督閣下のご好意感謝するが、我が艦隊はヴェイン・カルダス・ソリドール臨時独裁官閣下の命を受けている。よってピクシウス閣下に密命ゆえ、イスタナに行けぬとお伝え願う』
グレイスはザルガバースの返答を聞き、この前の政変の事を思い出した。
元老院議長グレゴロスによるグラミス皇帝暗殺。それに伴うヴェインの臨時独裁官就任。
第8艦隊壊滅の件で失脚寸前だったヴェインが臨時とはいえ一気に国家元首になった。
この政変のせいで帝国は行政に混乱をきたし、一部では暗殺の真犯人がヴェインではという噂もある。
だが、帝都の市民や軍部はヴェインの独裁を歓迎した。
それもその筈、ヴェインによって積み重ねられた戦勝や業績の高さから帝都の市民にとっては文字通り英雄なのだから。
そして軍部はロザリアの脅威が迫っている今、【戦争の天才】と称されるヴェインが国家元首に立つのは喜
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