第三十六話 神都
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クならキルティア教徒がやってる力仕事手伝えよ」
「手伝っても手伝わなくても暖かい飯は毎日貰えるよ」
「こんな豚が大勢いるからキルティア教会は財政難なんだな」
「まぁまぁ、そんなことはどうでもいいだろ!お前がまだ生きてるのってキルティア教おかげだろ?」
「そうだけどさ。ずっとこのままでいいのかな?もしどっかの国が攻め込んできたら・・・」
「こんな大して豊かでもないヤクトの辺境をキルティア教を敵に回してまで欲しがる馬鹿な国なんかねぇだろ」
「その通り!!お偉い大僧正アナスタシス様のひとにらみで王様も皇帝もたちまちふるえあがるって話だ」
「それならこんな山奥にこもってないで、戦争に夢中な連中をどうにかしてほしいですよ」
「違えねぇ!!」
と、キルティア教会に助けてらってるくせにキルティア教会を批難する駄目な奴等もいる。
「どうした馬鹿弟子?」
セアはなにか不機嫌そうなヴァンに声をかけた。
まぁなんで不機嫌なのかは想像できるが・・・
「だってさこいつら自分で何もして無いくせになんで偉そうにして・・・」
「そうだな。昔の馬鹿弟子みたいだな」
「はぁ!?」
「だってそうだろ?自分で何も出来ないから末端の帝国兵相手にスリしまくってた頃のお前と大差ないだろ」
「で、でもオレはちゃんとミゲロさんの店で働いてたぞ!!」
「そういえばミゲロさんから聞いたんだが、お前はよくサボってたらしいな?」
ヴァンはその言葉を聞くと黙り込んだ。
そしてセアは神殿の方に目をやった。
(しかし、俺が17の時に神都に来た時のことを思い出すな)
セアはそう思い、瞼を閉じて神都に来た時のことを思い返す。
17歳の頃のセアは国王として即位したばかりで、年の終わりごろに巡礼でブルオミシェイスを訪れていた。
「いや、本当に神に一番近い地と言われることはあるな。なんとも美しい」
「そうですね」
セアの隣にいる女性が答える。
その女性の身なりはよいが、容姿は人並みでどこか不機嫌そうな表情である。
「どうした? なにやら顔色が悪そうだが?」
心配そうにセアがその女性に声をかける。
「クライス陛下・・・いえ、セア。あなたには私とこの景色のどちらが美しいのですか?」
真剣な声で女性はセアに問いかけた。
だが、当時の自分はそっち方面というか女性関係には疎かった為、
「・・・どういう意味かな?」
などという質問を返してしまった。
すると女性は眉を顰めて、言い返した。
「いえ、ただあまりにも他人行儀ではないですか。愛する男性にそういう態度をとられるのは悲しいです」
「は!?」
セアは素っ頓狂な声をあげ、暫く考えた後に問いかけた。
「・・・・・・・・なんていった?」
「愛する男
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