第三十三話 影
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この世には、人智の思い及ばない【何か】が存在しているのだろうか?
人はそれを神と呼び崇め、或いは悪魔と呼び恐れているのではないだろうか?
喩えるならば地上に楽園を築き、数多の竜を支配下においた神々が存在したとして、
或いは異界の魔物を率い、地上を地獄に変えた悪魔が存在したとして、
神々や悪魔といった存在が私の前に現れたならばどちらであっても私が感じる感情は同じだろう。
そしてその感情とはおそらく恐怖であると私は考える。
なぜなら神や悪魔といった人智を超えた存在は人間には【理解できない】からだ。
人は理解出来ないものをなにより恐れる。
だから我等は相手が普通の存在なら知ろうとし、或いは力でその存在を排除しようとする。
しかし、人智を越えた存在を人智で測れることなどできず、
また、力も相手の方が強いので排除することもできはしない。
その為、その存在を無理やり人智に当てはめた結果、その存在を神や悪魔と人は呼ぶのである。
<神学者シェカバの論文より抜粋>
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ミュリンを追いかけていくと開けた場所に出た。
そこにはそれなりに大きい竜がいた。
かつて西ダルマスカ砂漠で倒した上級地竜よりやや小さいから中級だろうか。
だが、首や手足に輪っかがついているところを見ると邪竜種だろう。
イヴァリースにおいて竜は強力な存在だ。
その竜の中でも邪竜種はもっとも強力な存在だ。
かなり大雑把ではあるが上級地竜が下級邪竜よりやや強い程度で、中級邪竜だとやや劣り、上級邪竜になると比べることすら馬鹿々々しいといったレベルなのだ。
無論、【伝説の八竜】や【世界最強の魔物】の異名を持つパイルラスタなどと言った伝説クラスの上級地竜ならば上級邪竜にも劣らないのだが。
そんな邪竜種の竜ティアマットに向かってミュリンは近づいていく・・・。
「あぶないッ!!」
ヴァンが叫びティアマットに近づいたが、ティマットの前足で蹴飛ばされそうになり咄嗟に回避する。
が、体勢が崩れヴァンは転んでしまった。
ヴァンが転んだ事を確認するとティアマットはミュリンの方に近づいていく。
仕方が無いかとセアがティアマットに斬りかかろうとしたその時だった。
「「「「「「えっ?」」」」」」
ヴァンを除く全員が目の前の光景に驚いた。
なんとティアマットがミュリンに向かって跪 ひざまずいたのだ。
ミュリンはティアマットが跪いたのを確認するとふらふらと奥の方へ歩いていった。
「ミュリン!!」
フランがミュリンに近づこうとするとティア
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