第三十一話 愚問
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情報は正確には「ミュリンは森を出て西に向かい、鉄をまとう人間ヒュムどもの窖をさまよっている」である。
おそらくだが鉄をまつう人間とは帝国兵のことで帝国兵がいる西の窖はヘネ魔石鉱が思いつく。
バンクール地方はロザリアとアルケイディアが互いに手を出さないということで一応数百年間戦乱から逃れている。
だがロザリアでマルガラス家が帝位に返り咲いた時にアルケイディアがバンクール地方南東部を植民地にすることを認めさせた。
ロザリアは政変直後であったためアルケイディアとの戦争を避けたかった為、渋々認めることになった。
「それがどうした?行くぞヴァン」
そう言ってバルフレアは里から出ようとしたがヴァンが呼び止めた。
「あのさ」
「うん?」
「さっきほらヨーテが言ってたろ。その50年前がどうとか・・・って」
「それで?」
フランの問いにヴァンが少し悩みながら質問した。
「フランって何歳?」
空気が凍って、沈黙が場を支配した。
セアは噴出しそうになったがなんとか堪えた。
あまりにも静かな為、小鳥の鳴き声やあまり会話をしないヴィエラ達の話し声まで聞こえる。
フランは恥ずかしくなったのか質問に答えず里から出て行き、バルフレアは声を出さずに「馬鹿」と口を動かしてフランの後に続く。
他のみんなはというと
「はぁ・・・」
「・・・」
アーシェはため息をつき、バッシュは無言で通り過ぎ、
「失礼ですよ」
「ほんと子供なんだから」
ラーサーとパンネロはヴァンを非難する言葉を言って里から出て行った。
セアはその光景をみてヴァンの腕を掴み
「少しは常識というものを覚えろ!馬鹿弟子!!」
と言ってヴァンを爆笑しながら里から出口にひきずっていく。
ヴァンは女性に年齢を聞くのはちょっと失礼だと知ってはいたがここまで周りからここまで罵倒されるとは思わなかったのである。
だが、それでも聞いてしまうあたりがヴァンらしいところである。
だからつい不満そうな声で一言呟いた。
「納得いかないって・・・」
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