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魔法少女リリカルなのはA's The Awakening
第二十四話
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生温いことも言ってられんねやけど……まぁ、そこを気にするのはまだ早いかな」
開演までは時間がある。カバンからペットボトルを取り出し、水分を補給。既に人による熱気がすごく、トイレに行くにも大変だろう。
「……こんな世界わざわざ作って、お前は俺に何をさせたいんや?俺にはやらなあかんことがある。こんなところでのんびり夢見て寝てるわけにはいかんねん」
本来なら何も考えることなどなく、焦れったいほどの思いを抱えて開演を待つ。だが今の彼は心ここにあらず。本来の自分がどうなっているのか、あれから周りはどうなったのか。決着はついたのか、それともまだ戦っているのか。何もわからないことから来る焦りを抱えたまま、ただ時間を無為に過ごすだけであった。そんな彼が発した問いに、答えるものは誰もいない。
ほぼ全員がアースラに転移した。未だ戻ってこない人間を待つために残っているのはクロノと直人の二人だけだ。
「フレディさんはまだ戻らないのか……やれやれ……」
「何があったんや……まさか死にかけとか……」
「あの男に限ってそれだけはありえない。煮ても焼いても切り刻んでも、いつの間にか五体満足で自分の前に酒をかっくらいながら出てくるような男だ」
すると、もう一人がいた。いや、現れたというべきか。壮年ながらも筋骨隆々とした逞しい男性で、そこにいるだけでその場に緊張をもたらすほどの迫力を放ちながらも、その存在すら声を出すまで、クロノにすら気づかせなかった。
「グレアム提督!なぜここに!?」
「アレが出ると聞いたら、流石にほったらかしてはいられなくてね」
クロノが驚くのも無理はない。確かにフレディ直属の上司と言えるのは彼しかいないとはいえ、彼はこの作戦に関しては不参加だと聞いていたからだ。
「確かに闇の書に関しては君たちに一任した。その言葉に嘘はないし、実際この目で見せてもらった以上、信じたことが間違いではなかったと確信したよ。あの書に関しては本局であろうが私が黙らせる。だが……」
クロノにそう言うと、グレアムはバリアジャケットを纏う。
「……アレに関しては別だ。今の君たちではどうあがいてもアレを止めるどころか、触れることすらかなわないだろうからな」
「……確かに」
何も言わない直人。彼我の実力差を既に感じ取っているからか、動きたくとも動けない状態であった。そんな中で、グレアムの出撃は彼に安堵をもたらした。
「山口君だったかな。君は先に戻りたまえ。アレは私が抑え込んでくる」
「……わかりました。よろしくお願いします」
大人しく転送陣から帰還する直人。
「クロノ、君も戻れ」
「しかし、そうなるとこの転送陣が維持できません」
「私なら大丈夫だ。他人の心配より、君を心配してい
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