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魔法少女リリカルなのはA's The Awakening
第二十四話
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い上がった巨大な砂嵐を。危険はないかも知れないが、戦場でそういった油断は死を招くことをよく知っている。故に彼女の選択は一つしかなかった。
「見に行くしかねぇよな。何もなければ何もないで素通りできる」
しかしそれは、ビスカイトとフレディが音速の中で戦っているために生じている衝撃波、俗に言われるソニックブームというもので巻き起こされたものであった。二人とも動きが不規則であるがために、常に砂が舞い上がっている中にいる。いや、彼らが中心となって砂を巻き上げているといえばいいだろうか。彼女がそこに到着した時には、シグナムが唖然として佇んでいた。
「おいシグナム!生きてっか?」
「……ヴィータか」
完全に言葉を失っている。まぁ無理もない。ただでさえ速すぎる上に砂が邪魔をして目視はできないが、魔力を探れば中で何が起こっているのかはおのずとわかるのだから。
「ボサっとすんなと喝入れてやりたいところだが、まぁあれ見りゃ驚くのも無理はねぇよな。ベルカ以外にも、ここまで殴り合いに強い奴らがいたとは正直驚いたぜ」
「ああ。そしてさらに驚くべきは、あの二人は生物だということだ。人間はやめているだろうが」
「まぁ、あの速度についていこうと思ったら、並の肉体改造じゃ無理だからな。体は風に刻まれるし、内臓は衝撃でボロボロになっちまう」
限りなく人間に近い姿をしているとはいえ、騎士達はプログラムである。極端な話をすれば、人間には物理的に不可能なことも彼女たちには可能だ。だが、少し人間をやめたくらいでは彼女たちは驚かない。驚いているのは、もはや人間だからどうとかいう次元を超えた光景を目にしたからだろう。さらに驚くべきは、この現象を引き起こしているのはたった二人だという事実だ。
「まぁ、こんなところでチンタラしてても仕方ねぇ。さっさと戻るぞ」
「……そうだな」
球体化した魔力をすべて収集することに成功したアスカは、一瞬体をふらつかせてしまった。シャマルが焦ったような声を上げて近寄ろうとする。
「アスカさん!?」
「だ、大丈夫です……」
しかし、アスカは無用と手を挙げた。事実そのまま持ちこたえ、一息つくと姿勢を整える。
「だ、大丈夫なんですか?」
「ええ、ちょっと立ちくらみがしただけです。おそらくあれほどの魔力を一度に扱ったから、負担が少し体に来た、といったところでしょうか」
「それならなおさら休めないと……でもこの辺りにそんな都合良く休める場所なんてありませんし……」
「いや、だからもう大丈夫ですよ……私もデバイスなんですから、それほどヤワじゃありませんし」
慌てるシャマルに苦笑するアスカ。すると、遠くから魔力反応を感知したか、リインフォースがあさっての方向を向いてひとつつぶやく。
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