暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはA's The Awakening
第二十四話
[5/10]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
は砂粒一つ残らないほどに風が吹き乱れる。広大な岩の大地が顕になり、そこにまで衝撃が襲うのかひび割れていく。
「貴様こそ、先ほどに比べて足が止まって見えるぞ!」
身を切る風、切り返しの衝撃、攻撃の反動。様々な要因が彼らの身を削る。それでも彼らはやめない。やめられない。もはやここは死地。どちらかが死ぬまで、互いが死ぬまで。
「そうかい、ならもちっと上げてくか!」
さらにここでもう一段階スピードが上がり、六十分の一秒の世界へと突入する。一瞬の判断ミスが死を招く。考える時間はない。ただ自らの判断速度が生死を分かつ。
「フッ、それでこそ我が宿敵!」
拳と剣に互いの全てを乗せ、二人の不死者はただ戦う。闘争本能に従い、殺戮衝動に身を任せ、ただ目の前の敵を殺すために。
「遅れんなよ!」
「誰に言っている!」
ビスカイトは胸に風穴が空いており、フレディは袈裟斬りの跡が胸に残るも、この二人の舞踊は続く。もはや邪魔するものは何もない。ただただどちらかが死ぬまで、互の命を削り続ける。二人の表情は、嗜虐心に満ちた凶暴な笑顔だった。
その同じ頃、ヴィータは息を切らせながらも、屍の山を築き上げていた。そして右手で引きずるように下ろしていたグラーフアイゼンを、一息とともに肩に担ぐと、その場でしゃがみこんでしまった。
「これで全員かどうかはわからねぇが……少なくとも止まったには止まったみてぇだな」
『ヴィータ、聞こえる!?』
『ああ、フェイトか。どうした?』
すると、彼女にフェイトから念話が繋がれる。クロノ達が転送準備を進めているから、すぐに撤退して欲しい、とのことだった。了解の旨とデータを送ってもらう通知をして念話を切ると、仰向けに倒れ込んでしまう。相当に疲労が蓄積していたのだろうか、バリアジャケットこそ解除していないが完全に全身が弛緩しているように見える。
「あいつら、これを二人でしのいでたってのか。ハラオウンって奴は執務官だからともかく……まぁあの年で執務官ってのも充分おかしいモンだろうが……」
そこで彼女の脳裏に浮かぶのは、直人だった。しかし、それは疑念という意味で。
「直人の野郎、一体何者なんだ?本当に魔法覚えて半年なのか?……信じらんねぇ。あいつの戦闘スタイルも見たことねぇし……」
「Meister.」
「ん?……ああ、データか。出してくれ」
「Jawol.」
グラーフアイゼンから報告を受けたヴィータは立ち上がり、目の前にそれを立てて自分にもたれさせる。そして空中に画面を表示させ、位置データを確認した。
「……OK、覚えた。行くか……って、なんだありゃぁ!?」
しかし彼女は見てしまった。目的である座標地点の方角とは違う方向とはいえ、遠方で舞
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ