暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはA's The Awakening
第二十四話
[1/10]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話
「竜二さん!」
「いつ……の……間に……」

 何か呟いたと同時に倒れ込んだ竜二を助け起こそうと駆け寄るクロノ。

「はは……やった、やったぞ!あの男を、八神竜二を、俺が、俺が殺したんだ!やったぞ!フハハハハハ!」
「てんめェェ……テートリヒ・シュラァァアアアアクゥッ!」

 彼を刺した魔導士は狂ったように笑い出すが、その後すぐヴィータの怒りの一撃によって吹き飛ばされた。そんな中クロノとシャマルの二人が何度呼びかけても、竜二からの返答はない。砂に寝かせた状態でクロノが簡単な止血処理は施したが、心臓の真ん中を貫かれたので流血が止まらない。しかし、そんな二人にヴィータが待ったをかける。

「いいよ、血ィ止めたら少し休ませてやってくれ」
「ヴィータちゃん……」

 そう言ったヴィータは、自らのデバイスであるグラーフアイゼンを軽く振り回してみせた。そのまま背中に担ぐと、後ろにいるシャマルたちに背中越しで語りかける。

「元はといえば、アタシが任せろって言ったんだ。こうなる前にどうにかしなきゃいけなかったのに、結果こうなっちまった。だから……」

 そして、感情を魂の底から絞り出すように、しかし小さな声でつぶやく。

「……アタシが時間を稼いでくる。このままほっといたら後から後から突っ込んでくるのはサルでもわかるだろ。二人はアースラに連絡して、退却準備を整えておいてくれ」

 鉄槌の騎士ヴィータ、ここにあり。その小さな体からは想像もつかないような「戦闘者」としてのオーラがにじみ出ている。

「……わかった。竜二さんとアスカさんは私に任せて」
「アースラには僕から連絡しよう」
「ああ。頼むぜ」

 そう短く返すと、ヴィータはシグナムたちと同じ方向へ飛び出していった。その同じ頃に、アルフがフェイトを担いで連れてくる。そのままアルフがフェイトを降ろすと、二人とも竜二の姿に気がつく。

「竜二さん……だよね!?一体何が!?」
「ちょ、どうしたんだいその傷!?」
「落ち着いて聞いて頂戴……」
 
 とまどう二人にシャマルが説明すると、その表情が悔しさに歪んでいった。怒りと苛立ちのあまり地面に拳を突き刺したアルフ。フェイトの発した大丈夫なのかという問いに、シャマルは首を横に振りながら答えた。

「正直、わからないわ。ユニゾン中だったからもしかしたらアスカさんがなんとかしてくれるかも知れないけど、いかんせん貫かれた場所が悪い」
「ちきしょうっ……くそったれっ!」
「文句を言っても始まらないわ。やれることを……あら?」

 するといつの間にか、貫かれたはずの竜二の胸から出血が止まっていた。そして、そのまま竜二の体を白銀の光が包み込む。

「い、一体何が起こってんだ?」
「まさか……本当にアスカさんが…
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ