暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
十字架を背負いし神意の執行者〜Predestination〜
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ない、出来ないんだもん・・・。
「ああ。いるな、
絶対殲滅対象
(
アポリュオン
)
が・・・」
ミッドに着いてすぐ気が付いた。“
界律の守護神
(
わたしたち
)
”が斃すべき存在“
絶対殲滅対象
(
アポリュオン
)
”が、間違いなくミッドに居る。
――ミッドチルダ界律より
剣戟の極致に至りし者 天秤の狭間で揺れし者に今、契約を
招かれざる破滅の使徒 終極と大罪来たる 各々が誇りし力にて彼の者らを討て
総ての制限今此処に解放し 己が存在を賭けて 討ち滅ぼすこと
是本契約とす――
“界律”からついに本契約の通達が来た。やっぱり界律干渉の紋様を破壊したくらいじゃ諦めないか。それにしても相手はあの序列2位の終極テルミナス。正直勝てる気がしない。ていうか、あいつを相手にするくらいなら、宇宙ウーニウェルスムや運命フォルトゥーナの方がマシだよ。
「ペッカートゥムだってさ、ルシル」
半年前に潰したのにもう湧いてきた。何でこんなに早く揃うのか、そこまで人間の罪は重いということなのだろうか・・・?
「もう次代が揃ったようだな。まったく、面倒事ばかり運んでくる連中だ」
ルシルは随分な落ち着きよう。まぁ確かに契約執行となれば、大罪くらい容易く斃せる。半年前は“干渉”が使えないからこそ苦戦したに過ぎないのだから。
「それにしてもやはり終極、か。なぁシャル、勝てないとか思っていないだろうな・・・?」
「・・・少し、だけ」
個人の実力じゃテルミナスの方がルシルよりずっと上。本当なら序列6位の私と序列1位のルシルの2人がかりでも勝てる相手じゃない。ルシルもそれくらい解っているはず。
「勝つんだ。絶対に。それがみんなを護る唯一の術だ」
「っ!?」
ルシルは私を抱きしめて、優しくそう言いながら頭を撫でた。そっか。ルシルに頭を撫でられるのってこんなに気持ち良いんだ。すごい落ち着く。ありがとう、ルシル。もう大丈夫だよ。戦えるよ。手言うかごめん、フェイト。浮気じゃないから許してよね。
「ありがと。私はもう大丈夫だから。行こうルシル。
世界
(
みんな
)
を護るために。・・・
界律の守護神
(
テスタメント
)
が白き第三の力、“剣戟の極致に至りし者”・・・」
「ああ。
界律の守護神
(
テスタメント
)
が黒き第四の力、“天秤の狭間で揺れし者”・・・」
人間としての
肉体
(
うつわ
)
を完全に捨てる。ここからの闘いに、人の身体はただの枷でしかないから。それは日常からの完全なる決別。もう後戻りが出来ない一線。私とルシルはその一線を・・・
「「契約執行形態・・・顕現!」」
越えた。10年間という時間、私たちを縛っていたあらゆる制限から完全に解放される。“ジュエルシード”の時や2年間の契約執行ですら完全解放が許されなかった制限。
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