暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
十字架を背負いし神意の執行者〜Predestination〜
[2/10]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
ることが出来た。視線が一気にわたしに集まってきた。身構える。いつでも反応できるように。いつでも救い出せるように。

「・・・あははは。これはこれは。あぁ心配しないでください。あなたを消さないように気を付けるよう、終極(テルミナス)様から指示ですので」

「な・・・に・・・?(どういうこと? わたしを生かしておく理由が解らない。裏切り者のわたしを、どうして・・・?)」

「不思議そうな顔しているな、先代嫉妬よ」

「・・・誰?」

わたしに声を掛けてきたのは、先代のアスモデウスと同じように赤一色の初老の男。どこかの王族が着ていそうな派手な服、そしてマントを纏っている。

「ふむ、我は許されざる傲慢(ルシファー)。さて、先程の話だが、お前の消去は我らが任ではない」

「どういうこと・・・?」

シャルロッテとルシリオンが気付いて、助けに来てくれるまででいい。それまででいいから、何としても時間を稼がないと・・・。

「あんたを消すのは、そこの――あんたの大事な小娘が死んで、あんたに絶望を抱かせた後だってわけだ」

「っ!」

(なにそれ・・・。わたしを今生かす理由が、そんな馬鹿げた事だなんて・・・!)

わたしの逆鱗に触れた発言をした白い男。わたしは放てるだけの殺気を向けた。

「お前、必ず斃す。罪名は・・・?」

ルーテシアを死なせてから、それに絶望したわたしを消す。そんなふざけた事を口にした白い男の名前を聞く。

許されざる憤怒(サタン)だ」

「サタン・・・。真っ先に斃すから覚悟して」

そう挑発することで、わたしが真っ向から戦うと思わせる。

(まだ・・・? まだシャルロッテ達は気付かないの・・・!?)

もうそろそろ気付いてもいいはずなのに・・・。やっぱりこいつらも、わたし達の時と同じように神秘を隠匿している・・・? それとも、テルミナスとすでに事を起こしているのかもしれない。

許されざる嫉妬(レヴィヤタン)。先にアギト(ソレ)を、終極(テルミナス)様の御命令通りに機動六課(はいたつ)先に連れて行きなさいな」

「なっ、待て!!」

深緑のレヴィヤタンに向けて、レヴィヤタンと瓜二つの群青の女がそう言った。明らかに双子。そして女ということは「アスモデウス・・・!」しかあり得ない。色欲の罪は、必ず女性型が務めているからだ。

「判ったわ、許されざる色欲(ねえさん)

「行かせない!」

背を向けたレヴィヤタンに追い縋ろうとしたけど・・・

「あぁ、いけませんねぇ。いけませんよ先代嫉妬」

「ベルゼブブ! 邪魔を・・・するなぁぁぁぁーーーーッ!」

もう待っていられない。ごめん、ルーテシア、みんな。わたし・・・・・ここで死ぬか
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ