暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
破滅運び来たる災厄 〜Apollyon〜
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本局にある次元航行艦の停泊するドッグ前の廊下を歩く1人の男性。彼の名はクロノ・ハラオウン。本局次元航行部隊に所属し、XV級艦船クラウディアの艦長にして執務官でもある。

「やぁ、お疲れ様、クロノ君」

「ヴェロッサ。ああ、君もお疲れ様」

そのクロノに話しかけたのはヴェロッサ・アコース。本局の査察部に所属する査察官であり、クロノとは旧知の仲。そんなヴェロッサの隣にはもう1人、青年が立っていた。

「ユーノも一緒か。2人ももう上がりか?」

「うん。そういうクロノも?」

「ああ」

ヴェロッサに続いてクロノと話すのはユーノ。ユーノ・スクライア。無限書庫の司書長を務め、ミッドチルダの考古学士会の学士であり、かつてはなのは達と共に戦ったこともある戦友であり幼馴染だ。

「そうだ、ユーノ。明日は確かシャルとルシルの誕生日だったな。何か用意したか?」

他愛もない会話をしていると、その内容が彼らの親友であるシャルロッテとルシリオンの誕生日のものになった。

「うん。ルシルには珍しい本をね。ルシルほどの本の虫なら喜んでもらえると思うよ。シャルにはまぁいろいろと、かな」

苦笑いを浮かべてクロノに答えたユーノ。2人の会話を聞いていたヴェロッサが驚いたように目を円くして、「あれぇ? 僕は初耳だよ。どうして教えてくれなかったのかなぁ?」と2人を問い詰めた。

「そうだったか? ・・・あー、そういえば言っていなかったな」

ヴェロッサに問い詰められたクロノは大して考えもせずにそう返した。

「ひどいな〜。彼らにお世話になった身として、僕もお祝いしたいよ」

「なら今からでも贈るプレゼントを買ってきたらどうだ?」

「今から? 今開いている店じゃまともな物は買えないよ。女性にはそれなりの物を贈らないと。男として恥ずかしいからね」

「「あのシャルにそれなりの物??」」

「こらこら」

ヴェロッサの言葉に同時にそう返すクロノとユーノに呆れていたヴェロッサが「おや? あの娘、一般人かな・・・?」と小首を傾げた。そこには管理局員の制服ではなく私服を着た黒の少女がいた。ここは私服で居られる区画ではない。ゆえに浮いていた。

「局員の家族かな? もしかすると迷子かもしれないね」

そう言ってヴェロッサがその少女へと近づいていくが、「見た目が十代後半くらいで迷子って・・・」クロノとユーノは少女のことがおかしいと思いながらも、ヴェロッサに続こうとした。

「「っ!!?」」

その少女から放たれている圧倒的すぎる威圧感を向けられ、クロノとユーノは硬直せざるを得なかった。脂汗を掻き、呼吸は乱れ始め、軽く目眩すら起こしていた。しかし、ヴェロッサには向けられていないのか、彼はそのまま少女へと近づいて声を掛け
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