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恋の矢
第四章
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けえ」
 母もこう返すばかりだった。
「あれは黒田がメジャーに行った時みたいじゃけえ」
「マエケンはまだの筈じゃ」
 父は実は前田がメジャーに行くことを覚悟していてこう言うのだ。
「それで何でじゃ」
「わからんけえのう」
「そうじゃな」
「これはどうしたことじゃ」
 親達もいぶかしむのだった、だが今の敦史はその周りの目にも気付かない、彼だけで考えるばかりであった。 
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