そうして、『神崎一葉』は帰ってきた。
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その日、俺たちはいつも通り一緒に帰った。
「んじゃあな、雪姫。」
雪姫の家はここを曲がった先にある。
「ん、じゃね!」
雪姫は元気に走り去っていく。
「ゆ、雪姫!」
「?」
雪姫は振り向く。
「あ、明日どこか・・・で、デート!・・いかないか?」
「・・・・あ、ありがとっ!また明日!」
「おう、明日な。」
雪姫はそう言って走り去っていった。
俺、まだ信じられねぇよ。
「雪姫暦・・・か。」
俺はそう言って家に入った。
「ただいま」
「お帰り!お兄ちゃん!今日お母さんが帰ってくるって!」
「ま、まじか!」
俺の母親は、仕事で海外に出ている。
「須玖、お土産。」
俺はそう言ってヨーグルトを投げた。
「えぇ・・飲むヨーグルトって言ったじゃん!」
「仕方ないだろ?なかったんだから。」
「はぁ・・・これだから・・」
何がこれだ。お兄ちゃんに敬意を持て。
「まぁ、今日は麻婆豆腐だ。」
「やったぁ!小町的にポイント高い!」
「何故に知っている!?」
「お兄ちゃんの部屋にあった。」
「読んだのか!」
「ふふ。妹を侮るな?」
そういった直後。
ピロリン。
「ん?お兄ちゃんの彼女?」
俺は今まで開くことのないメールボックスを開いた。
雪姫暦
件名:明日。
本文:晴れて付き合うことになった私達だけどさ?まだどうすればいいか分からないね♪でも、そんなことを乗り越えて彼氏彼女になっていくんだね!
明日、楽しみだよ!
おやすみなさい!
「お兄ちゃん、どーしたの?」
「い、いや!なんでもない!」
どんな恥ずかしいメールだよ・・
「まぁ、お兄ちゃんのメールはアマゾン位だもんね。」
「分かってるならなんか送ってくれよ。妹からのメールって嬉しいから」
「わかった!授業中にね!」
「やめろ。」
俺は頭にチョップを落として、麻婆豆腐を作り始めた。
「いった〜お兄ちゃん、お母さんに言いつけるよ?」
「ふん、関係ないな。」
俺はそう言って机に夕飯を並べた。
「さぁ、母さんが来るまで何をする?」
「なんか買ってこようか?」
「いや、もうすぐ来るだろ。」
俺が立ち上がった直後、ドアが開くおとがした。
「お帰り!」
「よっ。」
入ってきたのはスーツ姿にスーツケースのキャリアウーマンって感じの母親だ。
「ただいまぁ!須玖ぅ!可愛いね〜」
母親は須玖を自分の富んだ胸に押し込んで愛でた。
「お帰り、母さん。」
「ただいまっ!可愛いね♪奏ちゃん、
ちゃんと須玖にご飯食べさせたの?」
「当たり前だ。さっさと荷物を置いてこい。」
俺はそう言ってリビングに入った。
「どうだ?うまいか?」
俺は母親に感想を聞いた。
「おおっ!さすが!うまいっ!」
母親に褒められて嬉しいの、久しぶりだな。
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