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勇者番長ダイバンチョウ
第12話 恋するスケ番。乙女のハートは超合金!
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際に懐から携帯に似た通信端末を取り出し耳元へ押し当てる。
「白鳥のおっちゃん! ゴクアク星人だ! 急いで番町にメンバーを送ってくれ!」
【任せろ! 1分で着いてみせるさ】
 通信をしてそれから本当に一分した後に上空にスカイ番長が到達する。そして、その機内から続々とメンバーが降りてくる。その中にはバンチョウの姿も当然見られた。
【番、待たせたな!】
「おう、ゴクアク組めぇ……毎回俺達がやられっぱなしだと思うなよ!」
 拳を握り締め、番はバンチョウと合体し、巨大ロボットバンチョウへとなった。ドリル番長とレッド番長もまた人型形態へとチェンジする。だが、レスキュー番長だけは変形せずに、救急車のまま周囲を走り回っていた。
【おい、何やってんだ? さっさと変形しろ!】
【で、でも! まだ避難が終わってないんです。彼等を助けないと】
【ちっ、勝手にしろ!】
 吐き捨てるように言い、ドリルは目の前の敵に視線を合わせた。其処へ合体したバンチョウが駆けつける。こうして、普段の三体が勢揃いしたのであった。
【どうした番長組? クレナイ番長は居ないのか?】
【るせぇっ! てめぇ如き俺達だけで充分なんだよ】
【そうかい、だったらこの俺様の剛球サーブを特と味わえ!】
 そう言うや否やゴクアク組構成員の左手から剛速球で弾が発射された。その弾の速度は音速を超えている。あたれば相当痛い。
【かわせ!】
 レッドの掛け声と共に三人が左右に散って弾を回避する。だが、弾が三人の脇を通り過ぎた直後、弾は爆発し、無数の小さな弾が炸裂して辺りに散らばった。その弾に当たると爆発が起こった。一個一個なら大した爆発力ではなにのだが、それが何百発ともなるとかなりの威力になる。
【ちっ、味な真似をしやがって!】
 諸にそれを食らった三人だったが、すぐに立ち上がる。この程度で参るほど柔じゃない。まだまだ勝負はこれからなのだ。



 茜の目の前で、バンチョウ達とゴクアク組構成員との激しい抗争が行われていた。それを見た茜は焦りの表情を見せる。
「木戸君、大丈夫かい?」
「先輩、すぐに皆を連れて此処から離れましょう! 此処に居たら危ないですよ!」
 何とか部員達を逃がそうとする茜。だが、その茜の手を先輩が咄嗟に掴んだ。茜の心臓の音が高鳴る。見れば、その男性は真剣な眼差しでこちらを見ていたのだ。
「せ、先輩……」
「手が震えているね。大丈夫だよ木戸君。君の事は、僕が守ってあげるからね」
 そう言ってくれた男性の目を茜は何時しか直視していた。まるで吸い込まれそうな瞳を見て居る内に、茜の意識が徐々に溶けて行く錯覚に陥った。だが、それに気づいた頃には、既に手遅れであった。
 気がついた頃には、茜は自分の体を先輩に委ねる形となっていた。そして、その時の男の顔には邪悪な笑み
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